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存在を示せるか、ジャン・トッド

2014年11月27日(木)6:57 am

危機に揺れるF1に変化をもたらす者は、誰もいないのか。FIA(国際自動車連盟)なら強大な権力を持っていそうなものだが、会長のジャン・トッドはこれを否定する。

2014年はグリッド後方のチームがふたつも破産した。他にも三チームが、中央集権と一部に金が集まるシステムに怒っている。

経費削減の試みはことごとく失敗するに至っては、何ごともゴリ押しで決めた前会長マックス・モズレーと対照的に、いてもいなくても同じといったトッドが批判を浴びるのも無理はない。

25日(火)、スイス・ジュネーブで開かれたF1戦略グループの会合後、トッドは、「私に何ができるというのだ?」とドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌にこぼす。

「物ごとの決定プロセスによっては、どうしても変更できないものもある。それが民主主義だ」

そんなトッドも、ひとつだけ対策を約束した。V6ターボエンジンの供給メーカー3社が請求する膨大な使用料だ。

「小チームのために、エンジンの価格を値下げできるかどうかやってみる」というのだ。「私もベストを尽くすが、結果は保証できない」

しかし、F1活動予算に上限を設ける再度の試みについてトッドは、一転して弱気な姿勢だ。前回は「あのロータスでさえ」反対したとトッドは明かす。

トッドは、メルセデスの後じんを拝したルノーとフェラーリにも同情的だ。上位を独占するメルセデスに何とか追いつこうと、二社は、より高い自由度の規則を要求している。

トッドも賛成だ。「各エンジンの実力が同じレベルとなって初めて、開発凍結は意味を生じる」

「かといって、いい仕事をしたメルセデスを責めるわけにもいかない」

レッドブルが提唱するエンジンの新規格はどうだろう。彼らはERS(エネルギー回生システム)共通化とツインターボの導入を求めているが、トッドはこれを「ナンセンス」と一蹴する。

「われわれはこの種の話で、決してひとつに肩入れしない」と話すトッド。

ところでイタリア『Autosprint(オートスプリント)』誌によると、F1戦略グループは25日(火)の会合で、来季からセーフティカー後に静止で再スタートを行うといった案を否決した。またトッドは、グリッドの減少傾向に歯止めをかける目的で考えられた一チーム三台体制の可能性を否定した。

「たとえ来年9チームになったとしても、レースをスタートするマシンは18台で変わらない」とトッド。

「あのモトGP(二輪モータースポーツの最高峰カテゴリー)も、16台でレースをスタートする時期があったのだ」

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