ジュール・ビアンキは、仮にこん睡から目覚めたとしても「非常に重い障害が残るだろう」と元F1ドライバーのフィリップ・ストレイフが語った。
1989年に起きたテスト中のクラッシュにより自らも身体に重度の麻痺(まひ)を抱えることとなったフランス人元ドライバーのストレイフは、19日(水)に友人であるミハエル・シューマッハは麻痺状態にあり、話をすることもできなければ、記憶障害もあるとフランスのラジオ局『Europe 1(ユーロプ1)』に語った。
だが、ストレイフは、シューマッハは「彼の妻やマネジャーとは目で意思疎通ができているようだ」とも語っている。
だが、厳重な報道管制のもとにシューマッハのリハビリに当たっている関係者は、そうしたストレイフの発言を否定する動きに出ている。
マネジャーのザビーネ・ケームは、『Telegraph(テレグラフ)』に対し、ストレイフが「自分たちに連絡を取ってきたことはなく」、今回のコメントはあくまでも「彼の意見」でしかないと主張した。
だが、ストレイフは同じ19日(水)に、F1日本GP(第15戦)決勝でのクラッシュで重傷を負ったマルシャのビアンキについても、「私の意見だが」としながら、その状態は「シューマッハよりも悪いと言える」と語った。
「残念ながら、私のところにいいニュースは入ってきていない」とストレイフ。
「彼は今もこん睡状態にあるし、すぐにそれから目覚めるとは思えないんだ」
「もし目覚めたとしても、彼には非常に重い障害が残るだろう。これは転んで岩に頭をぶつけたのとは違うからね。それが起こったシューマッハでさえ非常に深刻な状態となっている。ジュール・ビアンキのほうがさらに非常に深刻だ」
そう語ったストレイフは、次のように付け加えた。
「残念だが、もし彼がこん睡から目覚めたとしても、彼や家族にとっても非常につらい状況を迎えることになるだろう」