F1第17戦アメリカGPも、現地で決勝日を迎えた。しかし、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の将来は、相変わらず謎に包まれている。
ただひとつ確実と思われるのは、五年におよぶフェラーリとの関係が終わることだ。それとて、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)の移籍を含めて正式な発表は、まだない。契約のしがらみから、こう着状態に陥っている。
おそらくアロンソもフェラーリも、相手の契約終了宣言を待っているのだ。先に終わらせた方が契約違反である。仮にフェラーリが口火を切ると、違約金の額は何と5,000万ドル(約56億円)に及ぶ。逆にアロンソの方からチームを出るなら、フェラーリは願ったり叶ったりだ。
それにしても、おかしな話ではないか。ルカ・ディ・モンテゼモーロ前会長が離任の際、アロンソとフェラーリの終わりをはっきりと口にしているのだ。
「そう、ルカ(ディ・モンテゼモーロ)は何かをいったよね」と、アロンソはドイツ『Focus(フォーカス)』誌に語る。「でも、僕のことは毎日フェラーリのウェブサイトに載るが、(脱退について)何の記述もない」
アロンソは、フェラーリとベッテルの契約に驚いたに違いない -- それがF1パドックの一般的な認識だ。結果として彼には、マクラーレン・ホンダ移籍かF1活動休止の選択肢しかなくなった。
ただし、来季からメルセデスのパワーユニットを使用するロータスを踏み台に、ご本家メルセデスAMGに移るといったシナリオもある。むしろ、アロンソにはそれが理想的だ。ロータスのチームオーナー、ジェラルド・ロペスも、以上の話を否定していない。
ルクセンブルク出身のロペスは仏テレビ局『Canal Plus(カナル・プリュス)』に、次のように述べた。「そんな話がで出たところで、私は驚かない」「いつの日か、アロンソが(旧ベネトンとルノーの本拠地)エンストン製マシンのコックピットに戻ってきたっていいじゃないか」
その一方、マクラーレンは沈黙を守っている。現ドライバーの2009年F1世界王者ジェンソン・バトンとケビン・マグヌッセンがアロンソのとばっちりを受けているのは、いうまでもない。
いったいマクラーレンは、何人のドライバーを2015年のラインアップ候補にあげているのか。スポーティングディレクターのエリック・ブーリエは、フィンランド『MTV3』に笑って次のように話す。「何百人だよ」
「まじめな話、四人か五人だ」