ケータハムとマルシャが相次いで更正手続きに入るという事態を受け、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、F1のコストをめぐる状況に懸念を示している。
■いらだちを見せるザウバーのチーム代表
次に行き詰まる可能性が高いと見られているのがザウバーだ。チーム代表のモニシャ・カルテンボーンは、F1の現状にいらだちを見せている。
「最悪なのは、こうした状況がこのスポーツをひどくおとしめ、そこから利益を得るオーナーたちが、自分たちはどうしてこんなものにつき合っているのかといぶかってもおかしくないということです」
F1が商業的に「ばく大な」収益を上げているにもかかわらず、11チームを存続させるだけの「力がない」という現状は受け入れがたいものだとカルテンボーンは話す。
「これを誰かにうまく説明できますか」とカルテンボーンは記者らに問いかけている。
■危機感を示すFIA
スペインの『Marca(マルカ)』紙は、あるチームが1シーズンの運営にかかる最低限の費用をリークしたと伝えている。その数字は9,440万ユーロ(約132億円)である。
FIA会長ジャン・トッドは、今年前半にF1チームの予算を制限する計画を提案したが、トップチームらで構成するストラテジーグループの反対を受けて頓挫した。
しかし、ケータハムとマルシャの状況を受け、FIAは次のような声明を出して危機感を示している。
「こうした破たんは、(F1の)経済収支に関する疑問を改めて強く問いかけるものだ。また、FIAが何度も表明してきたように、現在のグリッドの存続を確かなものとし、新たな参加者を引きつけるためには、コスト削減を推進するあらゆる戦略が必要だとする立場の正当性を示している」
■ケータハムとマルシャの欠場に対する罰則はなし
チームは「全イベントに参加する」ことがルールで求められているが、ケータハムとマルシャについては、欠場しても罰則が科されないことになった。
審判役を務めるスチュワードの声明は、以下の通り。
「現在の経済状況をかんがみ、いかなる罰則も科さないことをスチュワードは決定した」
「違反の性質が特殊であることから、この問題について注意を払うようFIA会長に要請している」