ケータハムが破産手続きに入ったが、新オーナーのもとでアドバイザーとしてチーム運営にかかわっていたコリン・コレスは再び「フォルツァ・ロッサ」のプロジェクトに取り掛かることになるかもしれないと報じられている。
今年7月に、ケータハムがチーム設立者であるトニー・フェルナンデスから、スイスに拠点を置く中東系投資家グループに売却されたことが明らかとなり、そのアドバイザーとして突如コレスの名前が表に出ることとなった。
だが、かつてHRTやスパイカーでチーム代表を務めていたことで知られるコレスは、それ以前にはルーマニアに拠点を置くフォルツァ・ロッサのF1プロジェクトに深くかかわっており、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に対して参戦申請を行っていた。
ケータハムの破産手続きが進められる中、コレスとともにリーフィールドにあるケータハムのファクトリーにかかわっていたのがコンスタンティン・コジョカーという人物であることが明らかとなった。
実質的にコレスが率いていたケータハムと元オーナーであるフェルナンデスや債権者側による論争の中で、フェルナンデス側はコジョカーを指して、新たな運営会社は「彼らの後始末を担当する者」の所有とされていると指摘していた。つまり、コレス側ではそもそもケータハムとしてのチーム存続は頭になく、いずれはフォルツァ・ロッサに変えてしまうつもりだったということのようだ。
F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトは、コジョカーという人物は、ルーマニアのサッカーチームであるステアウア・ブカレストに所属していた元プロサッカー選手であると『Independent(インデペンデント)』紙に書いている。
シルトは、破産手続きに入ったケータハムの裁判所提出書類には、コジョカーがフォルツァ・ロッサはF1への参戦承認を受けていると語ったことが記されていることを明らかにしている。
その書類の中で、コジョカーは次のように語っているという。
「2014年の6月に、フォルツァ・ロッサはFIAが今後2年間のうちにF1参戦を認めるという文書を受け取った」
「フォルツァ・ロッサは2015年シーズンからレースをすることを望んでいるが、そのための準備期間は不足している」
期間だけでなく、資金も当然問題となる。そのプロジェクトはかつてルーマニア政府で大臣を務めていたイオン・バザックによって率いられているが、コジョカーは出資者側が運営コストの負担ができなかったためにケータハムの運営が行き詰まったのだと認めている。
「フォルツァ・ロッサは2015年に向けて別の対応措置の可能性を探っている。そして、私はルーマニアの支援者に連絡を取ることは非常に難しいということが分かった」
現在、F1ではケータハムとマルシャがチーム運営に失敗する一方で、フォルツァ・ロッサとアメリカのハースF1チームは新規参戦に向けて動いているという少々奇妙な事態を迎えている。
スイスの『Blick(ブリック)』紙によれば、正式に2015年にF1にエントリーするためには、チームは50万ドル(約5,500万円)を11月1日(土)までに納付しなくてはならないという。