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アロンソの去就を軸に過熱する移籍関連報道

2014年10月20日(月)19:54 pm

現在、F1ドライバーの来季以降の去就に関するうわさがさまざまな形で報じられている。

ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、ポルシェが来季は有名なル・マン24時間レースに3台目のクルマをエントリーさせ、そのクルマにはF1のスタードライバーたちが乗ることになるかもしれないと報じている。

その記事によれば、ポルシェでは候補ドライバーリストの一番上にフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグの名前を刻んでいるとしている。だが、フォース・インディアは20日(月)に来季もヒュルケンベルグが残留することを正式に発表。この線は消えたように思えるが、理論的には来年のル・マン24時間とF1レースは日程がぶつかることがないため、完全に可能性がないというわけではない。

『Auto Bild(アウト・ビルト)』ではさらに、ポルシェではすでに昨年までレッドブルに在籍していたマーク・ウェバーが今年ステアリングを握っているが、今後、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)やジェンソン・バトン(マクラーレン)の獲得も視野に入れているようだとしている。

■次の進展はアロンソの去就次第?

実際のところ、F1における「シリー・シーズン(移籍のうわさが駆け巡る季節)」に関しては、すでにレッドブルを離脱していることが確定しているセバスチャン・ベッテルがアロンソの後任としてフェラーリへ加入するという発表が正式に行われるまで、その進展に“待った”がかけられているような状態だ。

ロータスのロマン・グロージャンは、自分もそうした状況の推移を辛抱強く待ち続けているドライバーのひとりであることを隠そうとはしていない。

「F1ドライバーなら誰もがフェラーリへ行くことを夢見るものだよ」

フランスのラジオ局『Europe 1(ユーロプ1)』にそう語ったグロージャンは、フェラーリとも交渉をしているのかと尋ねられると「ああ、誰もがそうしている。でも、パドックは小さいからね」と、交渉はしているものの非常に狭き門であることを認めている。

ドイツの『Bild(ビルト)』紙は、フェラーリではアロンソの離脱とベッテルの加入については、アメリカGP(11月2日決勝)の前に発表するだろうと報じている。

■アロンソの1年間休養はF1にとって損失

そうした中、アロンソに関しては、来年は1年間F1から離れることになるのではないかとの見方が強くなってきているようだ。それは、アロンソがメルセデスAMGのシートがあくのを待つためだと言われている。

元F1ドライバーで、現在はF1解説者を務めるクリスチャン・ダナーは、「現時点ではフェルナンドもどうなるかは分かっていないと思う。だが、もしF1で最高のドライバーが来季は走らないとしたら、それは悲劇だと思うよ」と語った。

また、かつてパドックにおいてアロンソと一番親しい友人だったことで知られるロバート・クビサもアロンソの今後に関する質問を受けている。クビサはイタリアの『Sky(スカイ)』に次のように答えた。

「どうなるかは僕には分からないよ。でも、もし(来年)フェルナンドがグリッドについていなければ、F1にとってものすごい損失になるだろうね。F1に彼のような技術の高いドライバーを失う余裕はないはずだよ」

■2016年の契約さえあれば現実的選択だとプロスト

しかし、自らもかつて1992年シーズンにF1から離れ、翌年にウィリアムズでカムバックを果たして自身4度のF1タイトルを獲得した経験を持つアラン・プロストは、アロンソにとって1年間F1から離れるというのは現実的な選択肢だと考えている。プロストはスペインの『Marca(マルカ)』に次のように述べた。

「私は彼(アロンソ)の一番大きな動機はメルセデスAMGへ行くことだと考えているんだ」

「もし彼がマクラーレン・ホンダへ行くことを選択すれば、最初の年にタイトルをとるのは非常に難しいだろう。そして、彼ら(マクラーレン)が1年だけのためにアロンソにドアを開くなどということはありえないと思う」

「つまり、1年F1を離れる可能性が高いということだ」

プロストは、仮に1年F1から離れたとしても、そのことによってアロンソが特に不利になるようなことはないだろうと考えている。

「運転技術の観点からは、彼はそれほど多くのものを失うことはないだろう。多分 “感覚”は少し失うかもしれないがね。ルールも変わらないが、常に何か少し失うものはあるものだ」

しかし、そのプロストも、2016年の契約が確保できないのであれば、そうしたリスクを負うことは避けたほうがいいと考えている。

「だが、もし彼がすでにメルセデスAMGと2016年の契約を結んでいるのであれば、もちろん1年間の空白を置くことは可能だ。そうでなければ、私ならそうはしないだろうね。1年間休みを取るというのは楽なものじゃないよ」とプロストは付け加えた。

■カギを握るのはハミルトン?

2015年のドライバー体制が確定するまでは、こうした推測やうわさ話が終わることはないだろう。アロンソが、来季ルイス・ハミルトンに代わってメルセデスAMGのシートを得る可能性もあるのではないかとのうわさも根強くささやかれ続けている。

ホッケンハイムで行われたDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)最終戦を訪れていたハミルトンは、『APA通信』から2015年もメルセデスAMGのドライバーでいることを約束できるかと尋ねられると、次のように答えている。

「僕は誰にも約束はしないんだ。僕のガールフレンドにさえね」

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