マルシャは、ケガをしたジュール・ビアンキのために選手権9位を守り抜く決意だ。
【結果】F1第16戦ロシアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
ビアンキは、F1第15戦日本GPで頭部に大ケガを負い、現在も容体が心配されている状態だ。マルシャのチーム代表ジョン・ブースは、ビアンキが入院する四日市市の病院にとどまっている。
第16戦ロシアGPのスタート前には、全ドライバーが集まり、ビアンキの回復を祈って静かに円陣を組んだ。
■ガレージに準備されたビアンキのマシン
ロシアGPには1台しか出走しなかったマルシャだが、ガレージにはビアンキのカーナンバー17をつけたマシンが準備されていた。マルシャのスポーティングディレクターであるグレアム・ロウドンは、10日(金)にこう説明している。
「われわれは、ここに来てレースに参加するのが正しいことだと考えた。だが、ジュールへの支援と、彼のお母さんやお父さん、家族への敬意のしるしとして、2台目は出走しないことにした」
「クルマは車検も完全で、走れる準備ができた状態でガレージにある。ジュールのカーナンバーをつけて。それがわれわれにできることだと分かったんだ」
■ビアンキのために選手権9位を守る
マルシャは現在チーム別のコンストラクターズ選手権で9位につけている。これは第6戦モナコGPでビアンキが9位フィニッシュし、2ポイント獲得したためだ。
「われわれにとって非常に重要な順位だ」とロウドン。
「そして、その順位にいるのは、ほとんどはジュールのおかげだ」
この9位を守ることがチームの最大の目標だというロウドンの言葉を『Mirror(ミラー)』が伝えている。
「ジュールとその家族のためにわれわれにできる一番のことは、彼が与えてくれたこの選手権の順位を何としても守り抜こうとがんばることだ」
「あれは本当に素晴らしい走りだった。そして、競争の面で非常に貴重なものをもたらしてくれた」
■「信じられないくらいきつい1週間」
ロシアGPでマルシャから唯一出走したチームメートのマックス・チルトンだったが、マシントラブルのため、わずか10周でリタイアした。
チルトンは「信じられないくらいきつい1週間」だったと振り返っている。
チーフエンジニアのデイブ・グリーンウッドは、レース後にこう語った。
「ある時点からは、今シーズン残りのレースについて考える必要が出てくるだろう。だが今は、家に帰れることを喜んでいるよ」
次戦のアメリカGP(11月2日決勝)からは、ビアンキに代わってリザーブドライバーのアレクサンダー・ロッシが出走すると見られている。