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【動画】ビアンキの事故の模様。疑問視されるグリーンフラッグ

2014年10月08日(水)6:00 am

5日(日)に行われたF1日本GP決勝で、マルシャのジュール・ビアンキがほかのクルマの撤去作業に当たっていたクレーン車に激突し重傷を負ってしまったが、この事故が起きたときの状況に関して疑問の声が上がっている。

6日(月)に、ある観客が撮影したその事故の模様の映像がソーシャルメディアに投稿されたが、F1の商業権を管理するFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)ではすぐにその映像の削除に動いている。

『20minutes.fr』は、この映像を撮影したのはシケイン近くの観客席にいた人物であることを紹介し、その人物の次のようなコメントを掲載している。

「FOMは私へは接触してきていない。だが、私は彼らがこのビデオを葬り去ろうとしているのだと思っている。なぜなら、そこには(レース運営上の)ミスが映し出されているからね」

「私は、真実を明らかにするために、このビデオをすべてのF1ファンに対してシェアしたんだ」

このビデオを見た伝説的元F1ドライバーであるアラン・プロストは、この事故が起きた場所のすぐ近くにいたマーシャルがグリーンフラッグ(緑旗)を振り続けていたことに着目し、批判的なコメントをしている。

「(グリーンフラッグを振るのは)少なくとも(そこから)100メートルは離れたところからであるべきだった」とプロストは語っている。

事実、このビデオ映像が公開されて以降、事故発生現場にあったマーシャルポストで事故の直前から事故発生後も、セーフティカーが導入されるまでグリーンフラッグが振られ続けていたことに対する大きな非難の声が上がっている。

だが、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)のF1レース競技委員を務めることも多い元F1ドライバーのエマニュエル・ピロは、危険区間が終わる個所のマーシャルポストにおいて、それ以降はイエロー(コース上に危険があることを示す黄旗)が解除されるという意味でのグリーンフラッグが振られることは、仮にその場所がほんの1メートル先であったとしても、「まったく正しい」ことだと主張。今回のグリーンフラッグについて非難をしている人たちは「誤解している」と『Autosprint(オートスプリント)』に語っている。

その、約2分43秒におよぶビデオには、ビアンキの事故の約1分前からの映像が収められている。FIAはビアンキの事故に関する公式声明の中で、この手前のマーシャルポストで危険の存在を示すために2本のイエローフラッグ(黄旗)が振られるダブルイエローが提示されていたとしているが、この映像でも、当初ここでクラッシュを喫したエイドリアン・スーティル(ザウバー)のクルマの撤去作業が行われている間、ダブルイエローが振られている。

そして、スーティルのクルマがクレーン車につり上げられ、クレーン車が移動を始めたときには、ここから先はイエローが解除されるという意味のグリーンフラッグが振られ始める。そして、そのマーシャルポストのほぼ真下に見える位置でビアンキのクルマがクラッシュするのだが、マーシャルはその後もグリーンフラッグを振り続け、セーフティカー導入が決定された時点であらためて黄旗が振られている。

映像には、開始1分10秒ほどのところでビアンキのクラッシュの模様が収められている。衝突した瞬間、クレーン車が激しく浮き上がるほどの衝撃があったことが分かる生々しい衝撃的なシーンが収められているので閲覧する場合は留意をお願いしたい。

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