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F1の運転を難しくするには

2014年10月02日(木)8:18 am

F1の運転を難しくするいちばんの方法、それはマシンをもっと速くすることだ。

以上のように考えるのは、元F1ドライバーのデビッド・クルサードである。報道では、FIA(国際自動車連盟)も最近のF1は運転が「簡単すぎる」と案じているという。

こうした意見が増える背景には、F1新人の著しい若年化がある。たとえば1日(火)に17回めの誕生日を迎えたばかりのマックス・フェルスタッペン(トロロッソ)だ。彼は今週末に開かれるF1第15戦日本GPの初日フリー走行でグランプリ・デビューを飾る。

「FIAは、F1の運転を難しくする方法を模索中だといわれる」と述べるのは、イギリス『Times(タイムズ)』紙のケビン・イーソン記者。

「ドライバーは、若ければ若いほど経験も浅い。F1はドライバーの才能と技術、体力がもっとも高いレベルで試されるスポーツであるべきと考えるお偉方にとって、今の現実は懸念されるところだ」

そんな理由もあってか、FIAは突然、「ドライバーに運転のヒントを与える」ピットからマシンへの無線連絡を規制しだした。技術者やチーム上層部が遠隔操作よろしく無線でマシンを操るのは止めろというわけだ。

1994年に起きたアイルトン・セナ(ウィリアムズ)の悲劇的な事故をきっかけにF1キャリアの一歩を踏み出したクルサードは、いまF1が抱える問題を無線のせいにするFIAの考えは的外れだと、次のように語る。

「(無線規制)は、誰も手を上げない質問に答えるようなものだ」と、クルサードはF1スポンサーでスイスの銀行UBSのコラムに綴る。

「私の知る限り、F1は簡単だと文句をいう者などいない」という、43才のクルサード。彼はいま、イギリスのテレビ局でF1解説をしている。

「もしF1の運転を難しくしたいなら、マシンを速くすることだね。それが私の意見だ。まったく皮肉なことだよ。もっとF1ドライバーが手を焼く方法はないかと探しまわっておきながら、マシンそのものは、何と十年前の2004年当時より遅いんだから」

またクルサードは、無線会話の制限も逆効果だと主張する。F1のよさである「技術確信」のひとつを引っ込め、代わりに「官僚主義と役所しごと」を一層はびこらせるからだ。

「もし誰かが、ネットバンキングを廃止して古きよき銀行窓口の取引業務を復活させようと申し出たら、あなたは受け入れるかな。もちろんイヤだろう?」と、クルサード。

「それは時代の逆行だ。すでに世間に出回っていて、すべての人が利便性を享受している技術なのにそれを無視するやり方だよ」

「先週末シンガポールで無線規制についてドライバーたちと話をしたところ、ある者は賛成、ある者は反対、残りはどっちでも構わないという姿勢だった。その事実がすべてを表しているんじゃないかな。無線なんか、どうだっていいんだよ」と話すクルサードだった。

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