マクラーレンの2015年ドライバーが未だに決定していない。チームの判断次第では来季F1の扉が閉ざされると、ベテランのジェンソン・バトンは危機感を募らせている。
ホンダとのタイアップ初年度に向けてセバスチャン・ベッテル(レッドブル)やフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に代表されるトップドライバーとの契約を目指すマクラーレン。かなり不透明な状況のなか、先々週の第13戦イタリアGPから受けた印象では、実現は難しそうだ。
いっぽうで、バトンならびに彼のマネージャーとチームCEOのロン・デニスは、以前より前向きに交渉を進めていたとの証言もある。
だが今週末の第14戦シンガポールGPでレーシングディレクターのエリック・ブーリエは、非常に口が堅い。
「決定と発表を待ってくれ」と、報道陣に告げるブーリエ。
バトンもこれに調子を合わせる。「がまんが肝心だ。みんな、ここは堪えてくれ」
二人のコメントから何が読み取れるだろう。ひょっとすると決定はすでに出ていて、近々の発表まで沈黙を守る方針か。
バトンは次のようにいう。「まだ答えは出ていない」
こうした決定の遅れから、今後、F1の選択肢が狭まる恐れがバトンにはある。
「(他の)ほとんどのコックピットは埋まっていると思う」と、バトン。
もしマクラーレンの関心が他のドライバーに向いたら、バトンにとってはゲームオーバーだ。残りの空きシートに対する彼の興味は薄い。
「あくまで競争力のあるチームでドライブしたい。でなければ、世界チャンピオンの一人としてF1を続ける意味はほとんどないね」