圧倒的強さを見せるメルセデスAMGだが、これまでのレースではギア比が適切でなかったという。
メルセデスAMGが次のF1シンガポールGP(21日決勝)でギア比を修正するとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えた。
今年から各チームは年間通して同じギア比で戦うことになっているが、1回だけ修正が認められており、すでにレッドブルやフェラーリなどが修正している。
メルセデスAMGは、今年から8速に増えたギアのトップギアを使っておらず、前回の第13戦イタリアGPの長いストレートで初めて8速を使ったという。
「ほかのすべてのサーキットには(ギア比が)長すぎた」とエンジニアリングディレクターのアルド・コスタが認めている。
シンガポールGP以降は修正したギア比で戦うため、今後はメルセデスAMGの強さがさらに際立つ可能性もある。
■5速で十分、とウィリアムズ
一方、メルセデスエンジンのカスタマーチームの中で今季特に強さを見せているウィリアムズは、シーズン開幕当初から適切なギア比で戦っており、修正はしていない。
ウィリアムズの最高技術責任者であるパット・シモンズはこう話す。
「最初は少し不安だった。彼ら(メルセデスAMG)は自分たちのエンジンを隅々まで知り尽くしているはずだと思っていたから」
「数戦を終えて、ようやく安心したよ」
V6ターボエンジンに変わってギアは8速に増えたが、実は5速で十分だとシモンズは語る。
「エンジンのトルクが非常に太いので、5速のギアボックスで間に合うだろう」
「そのほうが重量もスペースも節約できるのだが」
「残念ながら、ルールで8速と規定されている。そうでなければ8速を使うことはあり得なかった」