NEXT...F1開催スケジュール

メルセデスAMG同士討ち、得をしたのは誰だ

2014年09月06日(土)7:58 am

最近のメルセデスAMGでは、謝罪があいさつ代わりになっているかのようだ。

F1第12戦ベルギーGP決勝でチームメートのルイス・ハミルトンに接触したニコ・ロズベルグは自らの行為を悔いたが、こんどは二人の目付役ニキ・ラウダが、事故の余韻が残るなかで非難が過ぎたとして詫びたのだ。

「ああ、ほんとうの話だよ」と、ロズベルグも認める。「せっかくの行為だから、もちろん全面的に受け入れたさ」

たしかにラウダは謝ったが、ベルギーGPの事故についての意見は変えていないという。

「謝罪した理由は、最初に彼(ロズベルグ)の話を聞かなかったからだ」と、ラウダはドイツ『Bild(ビルト)』紙に明かす。

「あれはフェアではなかった。まず先にニコの視点から事故を説明させなかったのだからね。私は、ゴメンと謝るのに何の問題もない」

「ただし、彼の過失という私の意見は変えないよ」

ハミルトンとロズベルグの事故は、第13戦イタリアGP開催中のモンツァでも、いい話のタネだ。一連の騒動で大きく得をしたのは、実はメルセデス・ベンツのマーケティング部門ではないか、そんなことをいう者もいる。

「まさしく、その点をバーニー(エクレストン)に指摘されたよ」というのは、チームの責任者トト・ヴォルフだ。「F1にも、われわれにとってもいいことだとさ。しかし、43ポイントが泡と消えたんだよ。それってどうなんだい」

誰が悪いとか、FIA(国際自動車連盟)はロズベルグを罰すべきだったか否かなど、議論はさまざまだ。しかし、F1 CEOバーニー・エクレストンは、その輪に割って入るつもりはない。

「同じチームに勝てるドライバーが二人いる問題は、F1で永遠のテーマだ」と、オーストリア『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥン)』紙に語るエクレストン。

引退した二度のF1世界王者ミカ・ハッキネンも、何が騒ぎの元なのか掴みかねている一人だ。

「私は長くF1に身をおいた人間だ」と、ハッキネンは『SID通信』に話す。「二人のチームメートが激しく争うなんて、F1では日常茶飯事だと思う」

「とくにマシンがあれだけ速いとね。世界選手権を手にするのは一人と決まっている。そこに多くの緊張が生まれるのだ」

現在F1四連覇中のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)も、今回の騒動に冷ややかだ。ベルギーGPの事故は「ただのレース中の事故にみえた」といっている。

「すぐ後ろで、しっかり見させてもらったよ」と、微笑むベッテル。

「もしかして僕には才能が足らないのかな」と、冗談まで飛び出す。「フロントウィングでわざと誰かのタイヤを切って、自分はそのままレースを続けるなんて芸当はできないよ」

「FIAが介入しなかったのはよかった。なのにチームが罰するなんて、なんか変じゃないか」というベッテルだった。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック