元F1オーナーのジャンカルロ・ミナルディは、セバスチャン・ベッテルおよびエイドリアン・ニューイのレッドブルコンビがマクラーレンの押しに負けて移籍する可能性ありと考えている。
その真偽はともかく、マクラーレン、そして来季彼らにワークス・エンジンを供給するホンダがトップドライバーに2015年を任せたがっているのは間違いないところだ。
レーシングディレクターのエリック・ブーリエも認めるとおり、マクラーレンがドライバー選択で時間をかけるのは異例だ。
「われわれは、これから数年にわたるドライバーの組み合わせについて、戦略を練っている」と、26日(火)、報道陣に語ったブーリエ。
「”数年”というところがミソなんだ。われわれとしては3年から5年を視野に入れている」
彼らが時間をかけると現ドライバーのケビン・マグヌッセンとジェンソン・バトンが苦痛に思うのは、ブーリエも承知している。
とりわけバトンにとって5年計画は悩ましい。いかに2009年F1世界王者の肩書があるとはいえ、2015年開幕時、彼は35才になるのだ。
7度のF1世界タイトルを取った伝説的存在のミハエル・シューマッハは37才でいちど引退した。41才で復帰したが、ほとんどの関係者の目に、シューマッハは過去の人と映ったのは否めない。
来季ドライバーについての憶測はとどまるところを知らず、マクラーレンはフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)ら、現状に不満のチャンピオン経験者を物色中とされる。
さらにロマン・グロージャン(ロータス)やバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)の名も浮上している。ただしドイツ『Speedweek(スピードウィーク)』は、ボッタスとウィリアムズは2015年も契約済みと伝えている。
「こんな状況は、確かに普通じゃないね」と、バトンはいう。「でも時にはしょうがない」
さて、情報の出どころは日本だというミナルディの考えだが、ホンダはベッテルだけでなく、F1の現状に不満を抱くエイドリアン・ニューイもセットで引き抜くべく猛プッシュしているという。
ミナルディは、ベルギーでバーニー・エクレストンとベッテルが移籍の可能性について話し合ったと自身のウェブサイトに綴った。エクレストンはベッテルを可愛がっている。それに、いいドライバーを主要チームに振り分けるのに、いつも熱心だ。
ベッテルは今週ロシアに赴き、新しいソチのサーキットを市販車で走った。レッドブルの第一線から身を引くというニューイの計画についてきかれたベッテル。
『Speedweek(スピードウィーク)』によると、「いや、それはないと思う」と答えたという。
「エイドリアン(ニューイ)はとても野心家だ。少しの静寂がほしいと本人がいったとしても、今レッドブル・レーシングが置かれている状況ではしかたない。トップに返り咲いたら、きっとまた彼のモチベーションは戻ると信じている」
「彼はレースの虫なんだよ。負けるのが我慢ならないのさ!」
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