マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエが、最終的には現在のドライバーラインアップを「一新」することもありえると認めた。
現在のマクラーレンのドライバー中、デンマーク人ドライバーであるケビン・マグヌッセンは今季デビューしたばかりのルーキードライバーだ。だが、マクラーレンでは2013年にザウバーから獲得したメキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレスもわずか1年でクビにしたという例もある。
来季からホンダと手を組み、そのワークスエンジンの供給を受けることになっているマクラーレンでは、新たなプロジェクトの切り札として最高レベルのドライバー獲得をもくろんでいるとの強いうわさがある。取りざたされているのは、かつてマクラーレンに在籍していたことのあるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)やルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、そして4年連続F1チャンピオンであるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)といった面々だ。
こうした状況のもと、マグヌッセンは次のように語っている。
「僕にできることはベストを尽くすことだけだし、それが(残留に)十分なものであることを願っているよ」
「マクラーレンにいる者なら誰でも、そこにいることがふさわしいと認められるだけの働きをする必要があると感じているはずだし、それは僕やジェンソン(バトン/チームメート)にとっても同じだよ」
仮に、マクラーレンが新たなドライバーを迎えるために現在のドライバーのうちどちらか1人をクビにすることになった場合、それは2009年のF1チャンピオンであるバトンのほうだと考えられている。バトンとマクラーレンとの契約は今季いっぱいだ。
マクラーレンの総帥であるロン・デニスは、少し前にバトンに対して「もっと頑張る必要がある」と語って波紋を呼んでいた。
マクラーレンのドライバー問題について、ブーリエはイギリスの『Mirror(ミラー)』紙に次のように語った。
「ジェンソンは、できる限り多くのポイントを獲得することが重要なんだということは分かっているよ」
「彼はF1チャンピオンだし、マクラーレンでも多くの勝利をあげてきているわけだから、いまさら何も証明してみせる必要はないからね」
そう語ったブーリエは、次のように付け加えた。
「同様に、我々も現実的であらねばならない。今後1年か2年、あるいは3年のうちには我々としてもドライバーラインアップを一新する必要があるかもしれない。そしてもちろん、我々としては、その時点で最高のドライバーたちを求めていくことになる」
一方、バトンのほうは、2015年には16年目のF1シーズンを現役ドライバーとして迎えるつもりだと主張している。現在34歳のバトンは現役ドライバーの中では2番目の年長ドライバーとなる。最年長ドライバーはバトンよりも3か月ほど先に生まれたフェラーリのキミ・ライコネンだが、F1経験に関しては50レース以上バトンのほうが多くなっている。
そのバトンは、次のように語っている。
「現時点では、F1でレースをしたいと思っている」
「F1にいると、いろんな感情に襲われるよ。いいときもあれば、悪いときもある。長いことそういう生活を送ってきたし、これからもそれを続けていきたいと思っているんだ」
「僕は若いし速い。そしてこの仕事を楽しんでいるんだ。それを変えたいとは思わないね」とバトンは結んだ。