元F1チャンピオンのミカ・ハッキネンと、そのチームメートとしてマクラーレンで長く走っていた元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、現在目覚ましい活躍を見せているバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)を高く評価している。
現在24歳となるボッタスは、テストドライバーとして2010年にウィリアムズに加入。2012年には控えドライバーとして数回金曜フリー走行を担当した後、2013年から正ドライバーに昇格している。ボッタスのここまでのF1キャリアにおいて重要な役割を果たしてきたのが同じフィンランド出身のハッキネンだった。
昨年までは低迷していたウィリアムズだが、今季は復活の兆しも見える。特に、ボッタスは第8戦オーストリアGPから第10戦ドイツGPまで3戦連続で表彰台に上る活躍を見せるとともに、最近の予選では常に上位争いを展開。いまやF1の有力チームからも熱い視線を集めるようになっている。
ボッタスのマネジメントにもかかわりを持っているハッキネンは、自身のスポンサーである『Hermes(エルメス)』のインタビューで「現時点のF1で最もホットなのはボッタスとリカルド(ダニエル・リカルド/レッドブル)だよ」と語った。
そのハッキネンがF1からのリタイアを決めたとき、それまで所属していたマクラーレンに対し、もしこれからも勝ち続けていきたいのであれば「フィンランド人を入れろ」と、当時台頭していたキミ・ライコネン(現フェラーリ)の獲得を薦めたことは有名な話だ。
45歳となったハッキネンは、今また再び同じようなアドバイスを行った。
ハッキネンは、来年からホンダエンジンを搭載することが決まっているマクラーレンでは、最高のドライバーの獲得を目指していると言われているが、その候補のひとりにボッタスが加えられたとのうわさを耳にしたことを認め、次のように語った。
「これは極めて当然のことだよ」
「まず、バルテリはまだ若いドライバーだし、まだF1でもそれほど経験はしていない。だが、バルテリの魅力は単にそのスピードだけではないんだ」
「彼はほかのチームメンバーの士気を高めることができるし、成功に導くために必要な雰囲気を作りだすこともできる」
「そこが彼の強みだし、いいところなんだ。今後どうなるかはまだ分からないけれどね」
ハッキネン同様、今季のボッタスに感心しているのがクルサードだ。
「彼(ボッタス)は3回表彰台に上ったし、非常に優秀なフェリペ・マッサ(チームメート)を上回っている」
現在はテレビ解説者を務めるクルサードは、『Telegraph(テレグラフ)』にそう語ると、次のように続けた。
「バルテリは、ちょっとばかりミカに似ている感じだね。常に冷静だし、それがF1の熱い戦いでは有利になる」
「ミカは多くのドライバーと働いているわけじゃない。そのこと自体が(ボッタスの力量を)物語っているよ」
そう語ったクルサードは次のように付け加えた。
「彼(ボッタス)は間違いなく将来が楽しみだね。でも、F1タイトル争いのプレッシャーにうまく対処できるかどうかは、実際にそういう状態になるまでは分からないものだ」