先週末にハンガロリンクで開催されたF1ハンガリーGP(第11戦)で今季のF1は前半戦を終了し、夏休み期間を迎えた。
ハンガリーGPから次戦ベルギーGP(8月24日決勝)まで、ほぼ1か月に及ぶ休暇の間、F1チームたちは2週間にわたってファクトリーを閉鎖するとともに、Eメールサーバーもシャットダウンするという合意を結んでいる。
つまり、この間F1チームでは一切の業務を行ってはならないことになっており、ほぼ全員が強制的に休暇を取るしかない状況におかれるわけだ。
■体力アップを目指すハミルトン
FRICシステムと呼ばれるサスペンションがドイツGP(第11戦)から禁止となったことを受け、F1カーはそのシステム分の重量が軽くなっている。これを受け、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンは、この休みを利用して少し体重を増やしたいと次のように語った。
「(夏休みは)体調を整えるにはいい機会だし、僕は少し体重を増やそうと思っているんだ。脂肪ではなく、筋肉を付けることでね。そして身体的にも精神的にもさらに強くなって戻ってくるよ」
■ロズベルグは結婚式も
そのハミルトンに対して11ポイントのリードを保って夏休みを迎えることになったランキングトップのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に対し、「この間、友人や家族と過ごすよ。イビサ島へ行くことにしているんだ」と話している。
だが、『Bild(ビルト)』紙によれば、最近結婚したばかりの29歳のロズベルグはその前に南フランスへ立ち寄り、そこの教会で伝統にのっとった式をあげる予定も組んでいるという。
■ベッテルは家族でのんびり
「夏休みは僕たちにみんなにとっていい期間になるよ」
そう語ったのは、現F1チャンピオンであり、今季前半戦は予想もしなかった苦戦に見舞われているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)だ。
「リラックスできるし、レースのことを少しばかり忘れられるからね」
現在はスイスに居を構え、婦人のハンナと7か月になる娘エミリーとともにそこで静かな暮らしをしているベッテルは、ほほ笑みながらそう付け加えている。
『Bild(ビルト)』紙は、ちゃめっ気のあるベッテルが、レッドブルのエンジニアたちにはこの夏休みにあることをやってもらいたいと次のような冗談も語ったと伝えている。
「彼らにはメルセデスAMGのファクトリーに立ち寄ってきて欲しいんだよね」
もちろん冗談ではあるが、今季前半に圧倒的な力の差を見せつけられたライバルに対する悔しさもにじませたベッテルだった。
■考えることまで閉鎖はできないとフェラーリ
一方、フェラーリでは、今年の4月からチーム代表に就任したマルコ・マティアッチが初めてのF1の夏休み期間を迎えている。だが、マティアッチは夏休みにファクトリーを閉鎖するとはいえ、すべての活動を停止したいとは思わないと次のように語った。
「今後どう進歩させていくかということについて考えることまでストップするつもりはないよ。それに関しては閉鎖はない」
「我々はリーダーたちに対して1.2秒ほどの後れを取っている。それを縮めるには数か月、あるいは数年の作業が必要だし、我々には精神的に活動停止することは許されないんだ」
■F1人気復活対策を話し合う各チームの首脳たち
そして、公式なファクトリー閉鎖期間が開始される前には一連の重要な会議も予定されている。
まず、チーム代表たちは31日(木)にロンドンで会合を開くことになっている。さらに、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダとフェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロが8月2日(土)に会談を行う予定だと報じている。
それらの会議の主要なテーマは、F1の人気低迷を打開するために必要な対策だと考えられているレギュレーション見直しに関するものだ。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、フェラーリがまず最重要テーマとして考えているのは、技術的改善の自由化であり、エンジン開発凍結の緩和や、サーキットにおける実走行テストの増加などだとしている。
これに加えて、金曜日のフリー走行で最速タイムを刻んだドライバーに対してポイントを与えるといった改善案も示されるかもしれないと『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は明かしている。