かつて3度F1チャンピオンに輝いた実績を持ち、現在はメルセデスAMGで非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、ライバルチームの今季のF1カーを酷評した。
ラウダはスペインの『El Pais(パイス)』紙に対し、次のように語った。
「マクラーレンでは我々と同じエンジンを使っているが、彼らのクルマはクソだね。いったいどこを走っているんだか、その姿も見えないよ」
「同じことはフェラーリにも言える。もうひとつのクソF1カーだ。来年は違ってくるだろうがね。なぜなら彼らはエンジンの半分を変更できるからね」
こうしたラウダの発言は、メルセデスAMGが2014年シーズンに圧倒的な強さを誇っていること、さらに、ライバルたちが自由にエンジン改良を行って反撃することをレギュレーションが厳しく制限していることについてどう思うかと尋ねられたことに対する答えとして語られたものだ。
「ルールは明確に記されている」、とラウダは続けた。
「ほかのチームが間抜けだからといってブリックスワース(メルセデスAMGのエンジン開発ファクトリー)に罰則を適用したりすることはできないよ」
そして、質問はフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のことに及んだ。現時点においては最高のF1ドライバーであるとの評価も高いアロンソだが、それにもかかわらず今季は常に中団に位置している。
ラウダは、アロンソに関して次のように語った。
「彼が非常に不満を抱えているのは確かだろう。だが、彼が稼ぐお金がそれを和らげてくれるはずだ」
「彼は自由にマクラーレンに行くわけにはいかないだろう。彼には契約があるし、クビにされるようなことでもない限り(フェラーリを)出て行くわけにはいかないよ。時には、間違ったクルマを選んでしまうこともあるものだよ」
そう語ったラウダは、1970年代に活躍したスウェーデン出身の名ドライバーを引き合いに出しながら、次のように付け加えた。
「ロニー・ピーターソンを覚えているかい? 彼は最高だった。だが、いつも間違ったチームにいたよ」
ラウダが2014年型フェラーリF1カーを、ひどい言葉を用いて酷評したことに対して意見を求められたフェラーリのマルコ・マティアッチ(チーム代表)は、それに対する反論を行うこともなく、冷静に大人の対応をしてみせている。
「インタビューの内容から、部分的に抜き出された文言に対してコメントするつもりはないよ」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったマティアッチは、次のように付け加えた。
「私にとってニキ・ラウダはモータースポーツの象徴のような人物だし、歴代のドライバーの中でも非常に知的なドライバーだ。私は彼に大きな尊敬の念を抱いているよ」