小林可夢偉が所属するケータハムが17日(木)に新たな管理体制を発表した。
マレーシアの実業家であるトニー・フェルナデスによって設立されたケータハムだが、今月に入ってスイス-中東系の投資家集団に身売りされていた。
そして、その新オーナーのもとでチームのアドバイザーに就任した元HRTチーム代表のコリン・コレスは、かつてミナルディなどでドライバーを務めていたクリスチャン・アルバースをチーム代表に据えるとともに、チームを将来的にもっと「効率よく」運営するために、最大300人に及ぶ人員整理を行うかもしれないと認めていた。
そうした状況のもと、16日(水)には、『BBC』、『Reuters(ロイター通信)』、そして『De Telegraaf(テレグラーフ)』が、「40人を超える」従業員が前戦イギリスGP(第9戦)と今週末に開催されるF1ドイツGP(20日決勝)までの間に解雇されたと報道。その中には、設計・製造責任者であったジョディ・エギントンやトラックオペレーションズ責任者であったジェリー・ヒューズも含まれていたとされていた。
さらに、『Speedweek(スピードウィーク)』も、「少なくとも50名」のケータハムのスタッフがチームを去っており、その中には設計担当者のルイス・バトラーや、調査および開発責任者であったエリオット・デイソン-バーバーも含まれていたと報じていた。
そして、ケータハムは17日にチームの公式サイトに声明を出し、新管理体制とリストラの実施を正式に発表。
それによると、チーム代表であるアルバースのもと、コレスの助手を務めるとされていたマンフレディ・ラベットがゼネラルマネジャーとチーム副代表を兼任。フォース・インディアで製造責任者を務めていたサイモン・シンキンズがCOO(最高執行責任者)に就任。スポーツカーメーカーであるロータスに所属していたマイオドラグ・コーターがチームマネジャーに就任することが明らかとなった。
さらに、これまでケータハムのエンジニアリング責任者であったジャンルカ・ピサネッロがトラックオペレーションズ責任者に昇進。そしてこれまでパフォーマンス・エンジニアリング責任者であったジョン・アイリーが最高技術責任者であるテクニカルディレクターに昇進したとされている。
ケータハムは、声明の中で「大勢の従業員」を解雇したことも認め、「これはチームの将来を最優先として考える新たなオーナー体制によって必要と判断されたステップであった」としている。
テストドライバーであったアレキサンダー・ロッシもすでにチームを離脱し、今週末のGP2レースにはユーロノバから出走することが発表されているが、もうひとりのテストドライバーであるロビン・フラインス、そしてレースドライバーである可夢偉とマーカス・エリクソンについては、現状ではチームにとどまることになると見られている。