レッドブルのドライバー育成プログラム所属、そして今季フォーミュラ・ルノー3.5シリーズを大きくリードしているカルロス・サインツJr.が、今年中のF1昇格を視野に最近、ケータハムと交渉のテーブルについていた事実を認めた。
サインツJr.は19才のスペイン人。今週末ニュルブルクリンクで行われるFルノーのドイツ・ラウンドを前にスポーツ紙『AS』のインタビューを受けたものだ。
WRC(世界ラリー選手権)元王者を父に持つサインツJr.は、レッドブルが抱える若手の中で図抜けた存在。2015年はジャン-エリック・ベルニュと交代でトロロッソ入りが有力だ。
ところが、今季F1最下位のケータハムが経営を譲渡。新たにチームアドバイザーとなったコリン・コレスは、第9戦イギリスGP開催中のシルバーストンでサインツJr.ならびにレッドブル首脳のひとりヘルムート・マルコ博士と話し合いを行ったのだ。
どうやらその内容は、ケータハムが使用するレッドブル製ギアボックスの支払いを免除してもらう代わり、今季中に小林可夢偉のシートをサインツJr.に譲り、F1デビューさせるというものだ。
ただスペインからの報道では、両者は合意に至らなかったという。
「ああ、(ケータハム)と交渉したのは事実だ」と、『AS』に認めるサインツJr.。「でも、何も決まっていない」
「しかし、どっちみち僕にとっては何も変わらない。かねてから僕の目標は、将来トロロッソに入ることだから」
「もしそれが叶うなら、ケータハムのチャンスを喜んでスルーするよ。今年F1で戦うことが可能になったからといって、それを決めるのはレッドブルだから。彼らもケータハムも得をする上で、互いに合意しないことにはね」
もしマルコとコレスが握手を交わせば、サインツのF1デビューは、2011年のダニエル・リカルド(レッドブル)と似た流れをたどる。リカルドは当時コレスが率いていたHRTからF1に昇格、上々の走りを見せた後トロロッソに移籍している。
「どんなときでもF1の経験を積めるのは、ありがたい」と、サインツはいう。「チームの優劣は関係ないよ」
「もし彼ら(レッドブル)が僕のことを考慮に入れてくれているなら、僕の走りに間違いはないと思ってよさそうだ」