昨年までのV8自然吸気エンジンに変わり、今シーズンから新たなV6ターボエンジンによる新時代を迎えたF1。その幕開けとなった今年は、ここまで3つのF1エンジンメーカーのうち、メルセデスが大きくリードしている。
ルノーエンジンを搭載し、昨年まで4年連続でF1タイトルを獲得したチャンピオンチームでありレッドブルは、エンジンサプライヤーであるルノーに対し、エンジンの改善を強く求めている。
■フェラーリもエンジン開発に出遅れ
だが、エンジンに問題を抱えているのはレッドブルだけではない。イタリアの名門フェラーリも同様にエンジンの強化が大きな課題となっている。
だが、フェラーリはレッドブルとは状況が異なる。レッドブルがパートナーであるエンジンサプライヤーのルノーからエンジン供給を受けているのに対し、フェラーリは同じマラネロのファクトリーにおいてシャシーもエンジンも自社製造している。
とは言え、フェラーリがエンジンの部品をすべて自前で製造しているわけではなく、その構成部品についてはやはりパートナー企業へ製造を委託しているものも多い。
そして、『Autosprint(オートスプリント)』が報じたところによれば、フェラーリではエンジン構成部品に関し、新たなサプライヤー候補企業との交渉を開始しているという。
イタリア人記者のアルベルト・アントニーニは、「フェラーリには長く付き合ってきているパートナーたちがいる。だが、何かを変えなくてはならない」と書いている。
■フェラーリエンジンの弱点はターボチャージャー?
アントニーニ記者によれば、フェラーリでは現在使用しているターボチャージャーに大きな問題があると考えているという。そのターボチャージャーはアメリカのハネウェル社が納入しているものだ。
フェラーリのエンジン責任者であるルカ・マルモリーニは、今年の初めに次のように語っていた。
「F1で勝つためには、パワートレイン(動力伝達系)のシステムに弱点があってはならない」
そして、フェラーリのチーム代表であるマルコ・マティアッチは今週次のように語った。
「どこか特定の分野を責めるつもりはない。それは正しいことではない」
「だが、メルセデスのパワーユニットのほうがうまく機能していることは疑いようのないことだ」