トヨタは25日(水)、セダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)を2014年度内に発売することを明らかにした。価格は700万円程度となる見込みだが、当面は水素ステーションの整備が予定されている地域およびその周辺地域が中心となる見込みだ。販売チャネルはトヨタ店およびトヨペット店となる。
■1回3分の水素充填で700kmの走行が可能
トヨタは、20年以上にわたって水素を燃料とするFCVの開発に取り組んでおり、水素と酸素の化学反応により発電を行うFCスタックや、燃料となる水素を貯蔵する高圧タンクを中心としたFCシステムを自社開発。2002年から日米でSUVタイプのFCVを導入してきた実績を持つ。
現在トヨタが開発を進めているFCVは、航続距離約700kmを確保するとともに、水素の満充填に要する時間は3分程度とガソリンエンジン車と同レベルとなる。このFCVが走行中に排出するのは、水素と酸素の化学反応で発生した水だけというクリーンさが売り物だ。
■水素燃料のメリット
水素は、さまざまな一次エネルギー(太陽光や風力などの自然エネルギー)を活用した製造が可能であり、電気に比べてエネルギー密度が高く貯蔵・輸送も容易であるほか、家庭用・自動車用燃料のみならず発電への活用も期待されるなど幅広い用途への利用が可能だという特徴を持っている。トヨタとしては、水素を将来の有力なエネルギーと位置付けて関連開発を行っている。
■販売予定地域
なお、当面の販売地域は、一般社団法人「次世代自動車振興センター」の燃料電池自動車用水素供給設備設置補助事業において2013年度と2014年度1次・2次公募による交付決定がされている都道府県(2014年5月21日現在)が中心となる。具体的には、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、愛知県、大阪府、兵庫県、山口県、福岡県となる予定だ。