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正念場を迎えるF1のコスト削減問題

2014年06月03日(火)19:01 pm

6月に入り、F1のコスト削減に向けた動きがシフトアップしていきそうだ。

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)から提出された強制力を持ったコスト制限案がF1の有力チームによって構成された「戦略グループ」によって否決されて以来、その決定に参加することが許されなかった小規模チームたちの不満が募っていることは明白だ。

FIAのジャン・トッド会長は、2015年には何らかのコスト削減ルールを導入したいと考えている。だが、そのための最終期限は6月末だ。これからわずか3週間ほど後には、FIAの下部組織である世界モータースポーツ評議会においてすべての申請に対する承認が行われることになっている。

だが、ここまでのところはわずかな進展しか見られていない。

大規模予算を有することで知られるレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは次のように述べている。

「ここまでに、我々は多分1万ユーロ(約140万円)ほどは節約できたと思う。でも、我々は正しい方向へ進もうとしているよ」

とりわけ大規模チームにとっては、財政状況で苦しい立場におかれている小規模チームたちを6月の最終期限までになだめることができない場合、2016年にはFIAがどのようなルールでさえ自由に導入できることになるというリスクを負うことになる。

だが、奇妙なことに、ホーナーはそれこそが望むところだと、次のように続けた。

「私としては、主催者とルールを策定する者が団結して、『これがF1が目指そうとするものだ』と言う必要があると思っている。そして、各チームはそのままF1を続けるか、やめてしまうかを選択すればいいんだ」

一方、F1で20年の歴史を持ちながら、昨年はほぼ財政破たんの瀬戸際に立たされていたザウバーのチーム代表を務めるモニシャ・カルテンボーンは、戦略グループに属していないチームの大半はそれほど長く待つわけにはいかないだろうとほのめかしている。

カルテンボーンは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「私たちは平等であることを求めているのではありませんし、自分たちの立場を改善したいとさえ望んでいるわけではありません」

「ただ、F1が財政面において容認できない次元に陥ってしまうことを避けたいだけです。小規模チームたちは絶えず、また次の月もまだレースを続けられるだろうかという不安を抱えているのですから」

カルテンボーンは、予算制限導入を強く支持している。仮に来年は2億ユーロ(約279億円)という高い天井が設定されるところから始まるにせよ、その後着実にそれを低減していけばよいとの考えだ。

カルテンボーンは、2007年から2009年までBMWのワークスチームとして活動を行っていたものの、BMWのF1撤退とともに再びプライベートチームとして活動を続けてきたザウバーの経緯について言及しながら、次のように続けた。

「F1には金を食いつぶすマシンだというイメージがあります。それがスポンサー離れを招き、2009年には自動車メーカー(BMW)も去っていきました。なぜならば損失がものすごく大きかったからです」

「もし、マクラーレンのような名門チームがまだタイトルスポンサーを探しているような状況であれば、何かが間違っているに違いないのです」、とカルテンボーンは結んでいる。

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