キミ・ライコネン(フェラーリ)が、今季のF1タイトルを獲得するのはもう無理だろうと語った。
今週、フェラーリでは、ライコネンが記者会見で語った内容を詳細に紹介しているが、その中でライコネンは今季ここまで圧倒的な強さを見せつけているメルセデスAMGを打ち破るのは「非常に難しい」ことだとしながらも、「でも、どうなるかはまだ分からないよ」と語っている。
だが、スポンサー対応のためノルウエーを訪問していたライコネンは、そこでノルウエー最大の日刊紙である『Aftenposten(アフテンポステン)』のインタビューに答えているが、その内容はもう少し悲観的なものとなっていた。
2014年のF1タイトル獲得のチャンスについて尋ねられた34歳のライコネンは、「もうないみたいだね。メルセデスAMGのクルマは速すぎるよ」と語り、次のように続けている。
「僕たち(フェラーリ)も優位に立ちたいとは思っている。でも、僕のタイトル争いはもう終わったみたいだ」
ここまで6戦を終えた時点で、ライコネンが獲得したポイントは17ポイントにとどまっており、すでに122ポイントを稼ぎだしているトップのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)には105ポイントもの後れをとっている。
ライコネンは、今季のF1タイトル獲得の最有力候補であるメルセデスAMGのロズベルグとルイス・ハミルトンがお互いにけん制し合うような発言をしていることについて尋ねられると、次のように答えた。
「僕はそういうことには興味がないんだ。僕が興味を持っているのは自分がうまくやってトップに返り咲くことだけだよ」
だが、そのライコネンも、昨年まで大音量を発生していたV8エンジンから、今季ハイブリッドパワーによるV6ターボエンジンに変わったことに関しては積極的にコメントを行った。
「ドライバーの立場から言えば、もっとグリップがよくて速いクルマのほうがいいよ。もっと馬力も欲しいね」
「スピードをもっと上げるのは難しいだろうけど、そのほうがレースももっと面白くなるし、ワクワクするようなものになると思うんだ」
そう語ったライコネンは、次のように付け加えた。
「でも、僕たちが自分でルールを作っているわけじゃないし、今年のクルマでできる限りのことをする必要があるんだ」
一方、フェラーリの公式ウェブサイトには、ライコネンがまたラリーをやりたいとは思っているものの、「現時点ではF1に完全に集中している」とのコメントが紹介されている。
ライコネンは、F1モナコGP(第6戦)が開催された先週末のモナコでは、このことに関して記者たちに次のように語っていた。
「問題は、僕がケガをするのをみんなが恐れているということなんだ。だから、僕のやることすべてを制限しようとするんだよ」
「それは残念だよ。僕としては、そうすれば誰にとってももっと楽しくなるし、どんなスポーツでも、そしてF1でも、そういうことが役に立つと思っているからね」、とライコネンは付け加えた。