パストール・マルドナード(ロータス)の将来に暗雲が立ち込めてきたようだ。
これまで、マルドナードのF1キャリアは豊富な資金力を有するPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)という強力なスポンサーによって支えられていた。さらに、ベネズエラの前大統領であったウゴ・チャベスも個人的にマルドナードを支援していた。
だが、そのチャベス前大統領は昨年死去。その後ベネズエラでは政治的混乱が続いている。そんな中、国営企業であるPDVSAが、マルドナードが昨年まで在籍していたウィリアムズや、今季移籍したロータスに対し多大な支援を行っていることはすでに国内で大きな論争の種となっていた。
そして、このほど新たにベネズエラのスポーツ担当大臣となったアントニオ・アルバレスが、今週、ベネズエラとしては今後モータースポーツに対する支援をすべて中止すると発表したのだ。
ベネズエラの『Ultimas Noticias(ウルティマス・ノティシアス)』には、次のようなアルバレスの談話が引用されている。
「私には多くの敵ができることは分かっている」
「だが、モーター・レーシングにはもう1ドルたりとも使うことはできない。ベネズエラのスポーツには、ほかに優先すべきことがある。それに、国の発展に寄与しない分野に国家の資産を投じることは不当なことだ」、とアルバレスは付け加えている。