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燃料が大きな役割を果たす新V6ターボ時代

2014年05月19日(月)19:55 pm

F1が迎えたV6ターボエンジンによる新しい時代においては、燃料が大きな役割を果たすであろうことが明らかとなってきている。

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、これまでパワー不足が指摘されていたルノーエンジンが、バルセロナで行われたF1スペインGP(第5戦)においては12馬力を向上させていたと報じている。これは、すべてフランスの石油会社であるトタル社が供給した新配合による燃料のおかげだという。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』のミハエル・シュミット記者によれば、トタルの新燃料が承認を受けられるようにするためにレッドブルがかなりの支出を行っており、これによってその燃料をスペインで使うことができたのだとしている。

そして、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、燃料によってさらにパワーアップが可能だと見ているようだ。ホーナーは次のように語った。

「我々は20馬力の向上について話をしているんだ。メルセデスAMGはそれくらいのアドバンテージを持っているよ。彼らがエンジンを供給しているチームと比較すれば分かることだ」

シュミット記者によれば、ホーナーが指しているのはマクラーレンのことだろうという。マクラーレンではメルセデス製エンジンに、同チームのスポンサーであるモービルから供給された燃料を使用している。

だが、マクラーレン以外にメルセデスからエンジンの供給を受けているフォース・インディアとウィリアムズでは、いずれもメルセデスAMGのタイトルスポンサーであるペトロナスが製造した自家製の燃料を使用しているようだ。

これに関し、ルノー・スポールF1のF1エンジン責任者であるロブ・ホワイトは、次のように語った。

「ターボエンジンに関しては、燃料メーカーはゼロからスタートしている。序盤にこれほど大きなパフォーマンスの開きがあったのはそのためだ」

イタリアのメディアによれば、フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長も2014年における燃料の重要性を認識しており、フェラーリF1チームに対し、その公式燃料サプライヤーであるシェルともっと密接に開発を進めるよう駆り立てているという。

スペインGPで、新しいトタル製燃料によって12馬力の向上が得られたのはレッドブルだけだった。そのほかのルノーエンジンユーザーであるロータス、トロロッソ、そしてケータハムがその新燃料を使用できるのは今週末のモナコGP(25日決勝)からとなる。

伝えられるところによれば、4年連続のF1チャンピオンチームであるレッドブルでは、バルセロナで用いた新燃料とそれまでの燃料を比較すると、ストレートでコンマ3秒の違いが出てくると計算しているという。

事実、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグの乗ったメルセデスAMGの今季型車W05は、ストレートで時速334.5kmをマークしていた。だが、レッドブルのダニエル・リカルドも328.8kmを記録しており、まだかなりの差があるとはいえ、これまでよりはだいぶ接近してきていると言える。

ホーナーは、「もし我々がエンジンによってつけられている差を50パーセントにまで減らすことができれば、メルセデスAMGに勝つことができるよ」と語っている。

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