特に空力処理の能力に優れ、天才F1カー設計者とも称されるレッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイだが、最近、F1が今後向かおうとしている方向性について疑問を投げかける発言を行っていた。
バーレーンGP(第3戦)の前、ニューイはF1が新たに掲げた「環境に優しい」という表現に対し、小さくなったV6ターボエンジンにハイブリッドパワーを供給するためのバッテリーが「石炭を燃料とする火力発電所からの電力で製造されるのであれば、それはまったく環境に優しいものでもなんでもない」と異議を唱(とな)えた。
その際、ニューイはさらに次のように続けている。
「ハイブリッドカーが当然のごとく環境に優しいなどという概念は、あまりにも単純すぎるよ」
「本当に正直な話をすれば、技術的には少しばかり疑問が残ると思っている」
さらに、ニューイは今季の新たなF1は、これまでの伝統的なF1よりもスポーツカーレースに似たものになっていると次のように続けた。
「F1はワクワクするようなものでなくてはならないんだ。人間と機械が一体となってすべての周回において最大限の力を発揮するようなものであるべきだよ」
一方、16日(水)に、ニューイはこの「疑問の残る」新しいF1に対してもこれまでと同じように高いレベルのやる気を示すだろうか、と尋ねられたレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「もちろんだ」と答え、次のように続けた。
「エイドリアンはものすごく(F1に)のめり込んでいる人間だよ。私がこれまで会った中で一番というわけではないかもしれないがね」
「彼のF1への情熱は、純粋主義者としてのものなんだ。そして、彼は心のままに語るんだよ」、とホーナーは付け加えた。