フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモーロが、新ルールによって今季のF1は「タクシー・ドライバー」たちが走っているようだとの発言を行ったことに対し、メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダが強く反論した。
ラウダは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に対し、怒りを込めた口調で次のように言い放った。
「レースがエコ走行となったから、ドライバーはタクシー・ドライバーのようだなどという者はウソつきだ」
「それは絶対に間違いだ」、とかつて3度F1チャンピオンに輝いたラウダは付け加えた。
モンテゼモーロは、F1が今季から導入した新エンジンルールなどに批判的な態度をとっていることが知られているが、今では1レースで使用できる燃料が100kgまでに制限されているため、F1ドライバーたちはチェッカーフラッグを受けるためにクルマをのんびりと走らせなくてはならなくなっており、それはまるで「タクシー・ドライバー」の仕事だと語っていた。
だが、ラウダはフェラーリでは単に新しいルールに適合したエンジンをうまく造ることができなかっただけだと主張し、次のように続けた。
「マレーシア(第2戦)では、我々が1位と2位だったが、5kgも燃料を残してレースを終えたよ。そしてほかのチームでも同じような状態だった」
ラウダはさらに、昨年のケースを持ち出して次のように続けた。
「昨年、ピレリタイヤがかなり壊れやすくて不安定だったとき、我々はレース中にはもっとペースを落とさなくてはならなかった。だがそのときは誰もそれに文句は言わなかった」
「それに、タイヤのせいで我々は(2013年には)今よりももっと燃料をセーブしていたよ。なぜなら、2、3kg重くなるだけでパフォーマンスにかなりの影響が出ていたからね。それでも、誰もドライバーたちのことをタクシー・ドライバーだなどとは言わなかったよ」、とラウダは結んでいる。