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今季のF1に対する批判には「意図」があると前FIA会長

2014年04月16日(水)19:38 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の前会長であるマックス・モズレーが、今季から大きく姿を変えた「新しい」F1への批判は、何らかの「たくらみ」を持つ者が仕掛けているのだと語った。

F1は今季から、これまでよりもかなり小さく、音も静かになった「環境に優しい」V6ターボエンジンを導入している。そして、これに対して大きな批判の声を上げているのがフェラーリだ。

こうした新レギュレーション導入を中心となって推進してきた人物は現在のFIA会長であるジャン・トッドだ。しかし、実際のところ最初にこうした小さなエンジンの導入を求めたのはモズレーであり、V6どころか4気筒にすべきだとの考えも示していた。

モズレーに言わせれば、昨年まで使用されていたV8エンジンは時代に取り残される「恐竜」のようなものだったと語り、今季から導入されたV6ターボエンジンに関して次のように続けた。

「非常に興味深いテクノロジーだし、これは変化なんだ」

『Reuters(ロイター通信)』にそう語ったモズレーは、次のように続けた。

「もし変化していかなければ、消え去るのみだ」

ここ数日の間に、フェラーリ本部のマラネロでは大きな変化が起こっている。前チーム代表であったステファノ・ドメニカリが更迭され、F1では無名のマルコ・マティアッチが新たなチーム代表に任命されたのだ。

だが、フェラーリの2014年のF1に対する姿勢には変化はないようだ。

イタリアのオリンピック委員長であるジョバンニ・マラゴは、最近イタリアのメディアに対し、自分は新しいF1は好きではないと認める発言を行っていた。そして、フェラーリではそのコメントを公式ウェブサイトに転載している。

マラゴはその中でF1の2014年のルールに関して次のように述べている。

「私の意見だが、これは自傷行為のようなものだ」

「このスポーツを運営している人たちには今一度ルールを見直して欲しいと思っている。なぜなら、今のF1は訴求力に欠けているからね。並外れた世界でなくてはならないのに、これは残念なことだ」

確かに、開幕戦のオーストラリアGPと第2戦のマレーシアGPは、ただF1カーの行列を見ただけだと酷評され、エンジン音が小さくなったことに対しては多くの非難が寄せられた。

だが、第3戦バーレーンGPでは、終盤にメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが勝利を目指してホイール・トゥ・ホイールの戦いを繰り広げ、まさにスリリングな展開となった。

ハミルトンは15日(火)に次のように語った。

「バーレーンは素晴らしかった。僕たちのチームにとってだけでなく、F1にとってもね。そして、今年ああいう素晴らしいショーが見られるのはきっとあれが最後ではないと思うよ」

だが、2014年のF1に不満を表しているのはフェラーリだけではない。昨年まで4年連続でF1タイトルを独占してきたレッドブル、さらにはF1最高責任者であるバーニー・エクレストンでさえ、何度も強い批判の声を上げている。

「かなり愉快なことだね」、とモズレーは続けた。

「なぜなら、誰もが彼らのことを知っているし、彼らがどういう反応をしているかを知っているからだ。それにもちろん、彼らにはみんな自分なりのたくらみがあってそうしているんだ」

「だが、彼らが理解できていないのは、大衆もそれが分かっているということだ。実際のところ、大衆はそんなことを少しも気にしていないと思うね」、とモズレーは結んでいる。

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