世界で最も有名な女性ドライバーといえば、ダニカ・パトリック。彼女は2015年にF1参戦が認められたジーン・ハースのストックカーチームに所属するが、どうやらF1へのスライド起用はなさそうだ。
32歳のパトリックは現在、NASCARの最高峰スプリント・カップに参戦中。ハースは14日(月)、初年度はF1界からドライバーを選び、できれば若手アメリカ人と組ませたいと語った。
その一方でハースは、NASCARを戦いながらF1に向けて準備するのは、どんなドライバーにとっても「不可能」と言う。
「何人かドライバーを抱えているが、きっと一人もチャレンジしたがらないだろう」と、ハースはF1参戦発表の記者会見で語っている。この会見には、旧ジャガーとレッドブルの元チーム代表でハースF1の陣頭指揮を取るギュンター・シュタイナーも同席した。
ハースは次のように続ける。「実現不能なばかりか、こんなことをしてはF1で生き残っていけない。ちょっと想像しただけでも、(NASCARスプリント)カップのマシンからF1に乗り換えるなんて難しすぎる」
それよりハースにとって差し迫った課題は、新チームの編成だ。今後数週のあいだに参戦を2015年、あるいは2016年にするか決定しなくてはならない。
「2015年では早すぎるし、2016年は遅すぎると思う。私の見方はそんなところだ」と話すハース。
「2016年まで待つことになれば、すべてが延び延びとなって余計に出費がかさむ。ギアをニュートラルにしたまま動かないクルマと一緒だ」
ハースによると、ダラーラのようなレーシングカー製造会社とタイアップ、まずは「マシンを形に」した上で初年度のスタートに臨むのが現実的なプランというところだ。
「なだめすかしたり拝み倒してもいいから、とにかく開幕戦のスタートラインに立つことだ。そこからがほんとうの競争だよ」
「やはり2015年が落としどころだろう。だが、それもパートナー選びによる。我々が必要とするインフラや技術をすべて提供してもらえるかどうかは分からない」
「そんなことも含め、今後数週間が大きなヤマ場」だ。
ハースはノースカロライナ州カナポリスに所有するNASCARの本拠地を拡張、F1チームを同居させる方針だ。また、ヨーロッパにサテライト基地を設けることも視野に入れているという。