F1イギリスGPの主催者は、新しいV6ターボエンジンの音が小さいという議論と距離を置いている。
今年のエンジン音については、開幕戦オーストラリアGPの主催者ロン・ウォーカーや、F1最高責任者バーニー・エクレストンが声高に不満を唱えている。
しかし、イギリスGP開催地のシルバーストン・サーキットを所有するBRDC(英国レーシングドライバー協会)会長は、以前のV8エンジンの音は「大き過ぎ」たという意見だ。
「耳がおかしくなりそうだった」と元F1ドライバーでBRDC会長のデレック・ワーウィックは、スチュワードを務めるバーレーンGP(6日決勝)で『Reuters(ロイター通信)』に語った。
「ただ音量を調整し直せばいいだけだ」とワーウィックは言う。
また、シルバーストンの責任者リチャード・フィリップスは、「新しい」F1を騒がせる話題で、ファンはむしろ「興味をそそられている」という考えをバーレーンで語った。『Times(タイムズ)』紙が伝えている。
「我々が見たところでは、ファンはこの新しいF1の見た目や音に非常に興味をそそられている」
「確かにエンジンは静かになったが、それが我々のイベントに影響を及ぼすとは思っていない」とフィリップスは話す。
反対に、公然と批判しているウォーカーやエクレストン、レッドブル会長ディートリッヒ・マテシッツ、フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロなどの態度は、新ルールがF1を危機的状況に陥れているような印象を与えている。
こうしたネガティブな態度をウィリアムズの最高技術責任者パット・シモンズは問題視している。
「イギリス人には、ネガティブなコメントで自分の商売をつぶしかけたラトナーという人物を覚えている人も多いだろう」とシモンズは4日(金)に話している。
シモンズの言うジェラルド・ラトナーは、1991年にあるスピーチで、自分の宝飾ブランドの商品は「クズだ」と冗談を言って会社を倒産の淵に追い込んだ。
この話を聞けば、2014年のエンジン音を「クソ」と言った現チャンピオンのセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の発言をFIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドが問題にするのも理解できる。トッドは、バーレーンでベッテルと個人的に会談する予定だ。
ワーウィックはこう語る。「このスポーツにかかわって50年になる。自分のスポーツを愛しているから、私は決してけなしたりしない」