フェラーリが「ファンは新しいF1に不満を抱いている」という声明を発表した。
声明でフェラーリは、この数日で5万人のファンからアンケートを取ったところ、燃費を抑えた新しいF1に「83%が失望」という結果だったと発表。
「さらに、ファンは新しいエンジンの音を気に入っておらず、複雑すぎるルールに混乱している」とフェラーリの声明は続く。
この声明が出る前には、フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロとF1最高責任者バーニー・エクレストンがロンドンで会談した。さらに週末のF1バーレーンGP(6日決勝)では、この2人にFIA(国際自動車連盟)会長ジャン・トッドが加わって会談が行われる。
「ルカと話をした。何をすべきかについて私たちは同じような気持ちを持っている」とエクレストンはバーレーンで『Times(タイムズ)』に話している。
どうやらモンテゼモーロとエクレストンは、すぐにもルールを変更したいと考えているようだ。
その最優先項目が、レース距離の短縮らしい。今年から燃料は1レース100kgに制限されているが、レース距離が短ければドライバーはよりアクセルを踏み込める。
「実現するには、チームらからちょっとした支持が必要だ」
「唯一前向きでないのはメルセデスかもしれない。非常に調子がいいからね。だが、必要なことを邪魔することはないと確信している。このスポーツができる限り良いものであってほしいと皆が望んでいるのだから」とエクレストンは話す。
だが、メルセデスが協力すると考えるのは間違いかもしれない。
「モンテゼモーロはミハエル(シューマッハ)がチャンピオンを5連覇したときには何も言わなかったと思うけど」とメルセデスAMGのルイス・ハミルトンはバーレーンで話している。
「同じように、マクラーレンはあんなにチャンピオンを獲得していた頃は何も言わなかったし、レッドブルも同じで、勝った時には何も言わなかった」
だが同じメルセデスエンジンを使うフォース・インディアのセルジオ・ペレスは、3日(木)に2014年のF1は「つまらない」と批判している。
一方トッドは、新シーズン開幕後わずか2戦の今、パドックは「感情的になりすぎ」ていると慎重な姿勢を見せた。
「この数日間、きちんと考えずにいろいろなことが言われたり書かれたりしている」とトッドは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語っている。
「しかも新しいメディアは、それをあっという間に世界中に広めてしまう」
フェラーリのフェルナンド・アロンソも、現在のマシンが数年前と比べて10秒近く遅いと嘆いているものの、新しいF1を見限るまでには「もっと時間」をかけるべきという意見だ。
「これから刺激的なレースもあれば、退屈なレースもあるだろう」
「燃料をもう少し増やしてよければ、速いクルマはさらに速くなる。遅いクルマも少しマシになるだろう」とアロンソは話している。
一方、レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、今のところメルセデスAMGがある程度の差をつけて最速のマシンであり、長いバーレーンのストレートでは、そのエンジンで「僕たちよりはるかに速い」だろうと話している。
これに対してハミルトンはこう言っている。「注目を自分たちから誰か別の者にそらそうとしているんだ」
「だから僕も同じことをするよ。彼ら(レッドブル)は今週末すごく速いと予想しているよ、とかなんとかね」