スペインのサンタンデール銀行がフェラーリの主要スポンサーを降りるのは遠い先の話だ。
「少なくとも、この先10年はF1(との関わり)を継続したい」と、サンタンデール銀行グループのエミリオ・ボティン頭取が語った内容を『Marca(マルカ)』が伝えている。
この長期的な支援の受け取り手は確かにフェラーリだが、そこにはサンタンデールにとって重要な人物の存在がある。つまり、スペイン人唯一のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だ。
「10年経っても、フェルナンド・アロンソは今と変わらず素晴らしいと確信がある」
F1を一躍スペインの人気スポーツに押し上げたアロンソの評判は疑いようもなく、サンタンデールはこの先もフェラーリ、アロンソと手を携えていくことを望んでいる。この発言に、フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリは、「同感だね」と言い、両者の円満な関係を端的に示してみせた。
ボティンはまた、マクラーレンのスポンサーを降りた経緯も明かしている。
「フェラーリというチームはひとつしかない。以上」
「イギリスにも支店があるのでマクラーレンへの出資に興味がないでもないが、規模が小さかった」
「ハミルトン(ルイス・ハミルトン/メルセデスAMG)が(マクラーレンに)いたころは正当性があった。バトン(ジェンソン・バトン/マクラーレン)もいいドライバーだが、それとこれとは別の話だ」
2014年シーズン開幕以来、調子の上がらないフェラーリだが、それで支援が揺らぐことはないとボティンは言う。
「フェラーリとのパートナー関係は当社の歴史上、最も輝かしいものだ。世界中に名を知られる事こそが、サンタンデールにとって重要なのだ」
しかし、ボティンはビジネスマンらしく、ドメニカリに2014年のフェラーリのクルマが良くなるのはいつかと確認することも怠らなかった。
「中国(第4戦4月20日決勝)だ」との答えに、ボティンは「いいね、いいよ」と満足げな顔をしてみせた。