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ラウダ、「新たなF1」に対する批判に反撃

2014年03月25日(火)22:17 pm

メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダが、これまでとは大きく姿を変えることとなった今シーズンのF1に向けられた批判に対し、反論を展開した。

F1オーストラリアGPの主催責任者であるロン・ウォーカーは、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンとの関係が深いことでも知られている。そのウォーカーは、今季導入された新しいV6ターボエンジンの音を聞いた後、これはF1側による契約違反だとして訴訟に持ち込む、あるいは、アメリカのインディカー・シリーズに乗り換えることも考える、という脅しをF1に対して圧力をかけている。

ウォーカーは、F1ビジネス記者であるクリスチャン・シルトを通じて、『Independent(インデペンデント)』に次のように述べた。

「インディカーに転向するのは劇的な変化になるだろう。だが、こういう形では我々は続けていけない」

ウォーカーは、エクレストンが反対したにもかかわらず、こうした変更を統括しているFIA(国際自動車連盟)を非難し、次のように続けた。

「我々はファンの意識調査を行ったが、彼らは燃料の節約などにはあまり関心がないんだ。彼らは、ドライバーたちが燃料をどれくらい使うかなどということは気にせず、互いにグラディエーターのように戦うところを見に行きたいと望んでいるんだよ」

だが、ウォーカーは、何よりも昨年までのV8自然吸気エンジンが奏でていた甲高くて大音響のエンジン音が失われてしまったことが一番の問題だと考えている。

「これではもうチケットなど売れないよ。これはジャン・トッド(FIA会長)の大きな怠慢によるものだ」

一方、かつて3度F1チャンピオンに輝いた伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、エンジンの音が小さくなったことで、かつてのようなドラマ性が欠けてしまったことは認めつつも、すべてが変わって新しくなったF1の新時代はそれほど悪いものではないと見ている。

ラウダは、メルセデスAMGがオーストラリアGPで圧勝したからそう言うわけではないとしながら、次のように語った。

「あれ(オーストラリアGP)は、今の時代に合わせた現代のF1を示すものだったんだ」

「ああいう非常にいいレースの後で、この新しいF1に対して腹を立てている人たちがいるなんて理解できないし、ばかげたことだと思うね」

「F1はいまや、技術進歩の潮流と完全に調和したレース・カテゴリーなんだ」

「我々は今新しい時代を迎えている。新たな交通機関が求められているし、環境問題にも積極的に取り組まなくてはならない。ハイブリッド車の開発なども必要となっている。そうしたすべての挑戦を通じて、高度に進んだ技術社会における人々の生活の質に関して考えていかなくてはならないんだ」

「古い8気筒エンジンではもはやこういったことにはふさわしくなかった」

「ターボ技術により、少ない燃料でさらにパワーが発揮できるし、音も小さくなり、炭素の放出も減ることで環境への影響も小さくなる」

「ホンダが来年からF1に戻ってくるのはこうした理由によるものだし、ルノーやフェラーリ、そしてメルセデスといったメーカーも同じようにこれに追随してゆくだろう」

「だから、私から見ればいいことだらけだ」

エクレストンのように、新たなF1に反対の立場をとる者たちについて、ラウダはさらに次のように続けた。

「バーニーとは明らかに反対の立場だ。F1の魅力はノイズによって決まるわけではないよ」

「それはスポーツとしての活動のしかたによって決まるものなんだ。こういった高度で時代にのっとった技術によって造られたクルマを高い次元で操ることができるドライバーたちによって、可能な限りワクワクするような戦いを繰り広げられるかどうかによって決まってくるものだよ」

「音に関してだけ論じるのはばかげたことだし、私には理解できないよ。これらのクルマは、その技術により、(ストレートでは)かつての8気筒エンジンよりも速いんだからね」

「排気管からどういう音が出てこようが、それは関係ないことだ。それが感情面において重要だと言われても、私には分からないね」

「今のF1カーの音を人工的に大きくしようという考えは方向性を間違えているし、とんでもないよ」

「F1は完全に正しい道筋を歩んでいるよ。F1の定めは後退することではなく、できる限り速く前進することなんだ」

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