今季のF1開幕戦オーストラリアGPではメルセデスAMGのニコ・ロズベルグが優勝を飾ったが、現時点ではメルセデスエンジンを搭載するウィリアムズが、メルセデスAMGの次に速いチームだと考えている者も少なくない。
だが、同チームのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは、2014年シーズンの戦いは厳しいものになるだろうと考えている。
シモンズは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「ルノーがどれだけ早く追いついてきたか考えてごらん。3週間前には彼らの姿など見えなかったのに、突然2番手でゴールできるクルマにしてきたんだ」
実際のところ、レッドブルの不振に関しては、その責任の大部分がエンジンサプライヤーであるルノーにあると考えられている。
ルノーのエンジニアリング責任者であるレミ・タフィンは、『Italiaracing(イタリアレーシング)』に次のように語った。
「我々がメルセデスよりもストレートで遅いのは明らかだ」
「その差が1秒あるかどうかは分からないが、コンマ1秒以上であることは間違いない。だが、解決できない問題などはないよ」
同様に、メルセデスAMGを激しく追い上げようとしているのが、マクラーレンとフェラーリだ。
マクラーレンのレーシングディレクターであるエリック・ブーリエは、フランスの『Auto Hebdo(オート・エブド)』に次のように述べた。
「我々は、彼ら(メルセデスAMG)は、コンマ5秒から7.5秒ほどのアドバンテージを持っていると考えている」
「我々としては、何よりも信頼性の高いクルマを開発したいと考えていた。シーズン序盤において多くのポイントを稼ぐには、それが重要だと思っているからね」
「これからは、非常に戦闘力を高めるための開発に臨むことになるだろう」
「メルセデスAMGに追いつく必要がある。だが、ほかのチームも、エンジンさえよくなれば、うまくやってくるだろう」
フェラーリも、オーストラリアでの開幕戦では表彰台に上ることができなかったものの、2014年のF1タイトル獲得を目指して今後戦ってゆくにあたり、失ったものは何もないと考えている。
フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリは、スペインのスポーツ紙『AS』に次のように述べた。
「私は、このチームにはF1タイトル獲得に向けて戦うための時間があると確信している」
「確かに、それは簡単なことではないだろう。だがもちろんまだ時間はあるし、そうするために可能な限りを行うための人材も有しているよ」とドメニカリは結んだ。