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ロンドン高裁、F1ボスの贈賄を認定

2014年02月24日(月)15:23 pm

ロンドンの裁判所で行われたF1最高責任者バーニー・エクレストンの汚職スキャンダルにかかわる民事裁判の判決を不服として、ドイツのメディア会社が上告することになりそうだ。

ロンドンの高等裁判所は20日(木)、ドイツのコンスタンティン・メディアン社がエクレストンに対して起こした1億4,000万ドル(約14億3,000万円)に及ぶ損害賠償の訴えを棄却。その一方で裁判所は、エクレストンが汚職を行っており、すでに投獄されている元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーに対して賄賂(わいろ)を支払っていたことを認定した。

これに関し、コンスタンティン社の弁護士は声明を発表し、その中で次のように述べた。

「裁判官は、本件の準拠法であるドイツ法の非常に複雑な問題も含め、基礎的な裁定基準のもとにコンスタンティンに不利な判決を下した」

「コンスタンティンはそうした判決に対し上告することを予定している」

ドイツでの刑事裁判を控え、その結果によっては投獄される可能性もあるエクレストンにとってさらに打撃となったのは、20日の判決の中で、エクレストンを「信頼できない」証人であると指摘したことだ。

これに対し、エクレストンは『BBC』を通じて次のように反論した。

「もし私は信頼できない人物だとしたら、我々がずっと成功を収めてこられたのは幸運だったよ」

エクレストンは、『Daily Express(デイリー・エクスプレス)』に対し、今回の裁判官のコメントによって今後行われるドイツでの裁判で勝訴するチャンスを損なうことになるか「分からない」とし、次のように語った。

「ミュンヘンの裁判官は彼自身の考えに基づく調査結果を基準とすると思う。ほかの誰かの考えには頼らずにね」

「それ(イギリスの判決)は、私がやったとか、真実を言わなかったとか、あるいは私が信頼できる人物か、そうでないかということには何の関係もないことだ」

エクレストンの弁護士は、裁判官がエクレストンの贈賄を認定したという事実によって、ドイツの裁判でも同じ結果になることを意味するものではないとしている。

「これ(民事裁判)は、刑事裁判で採用されるものよりはかなり低い証拠基準によるものだ」

「裁判官の意見は、部分的な証拠に関する聴聞結果から表明されたもので、適正な検証を経たものではない」と弁護士が発表した声明文には記されている。

さらにエクレストンは、コンスタンティン側に対し、上告できるものならしてみろと挑発的なコメントを行っている。

「我々は必要な人々をすべて連れてくることができる。これまでは必要だと考えなかった人もね。そして、我々はこれまでよりももっといい方法で対抗することができるだろう」

エクレストン側はコンスタンティンとの裁判には勝訴したと主張しているものの、今回の判決内容はエクレストンに暗雲を漂わせることにもなった。

『Daily Mail(デイリー・メール)』は、情報提供者のコメントを引用しながら、その判決が出た後、F1の取締役たちの間で「あわただしく打ち合わせや電話が行われ」、F1の大株主であるCVCキャピタル・パートナーズの取締役であるドナルド・マッケンジーに対し、「エクレストンによる支配を終わらせる」ことを要求したと報じた。

「あまりにも長期にわたっており、ドナルドはすぐこれに対処する必要がある。バーニーの地位は継続できない」と情報提供者は『Daily Mail(デイリー・メール)』に語っている。記者のケビン・イーソンは、『Times(タイムズ)』で次のように書いた。

「一部の取締役たちは、今回の件で動揺し、彼(エクレストン)の排除を迫っていることが分かった」

エクレストンはこれに関し、次のように述べた。

「私がクビにされるかどうかは分からない」

「私は裁判所にうそはついていない。だが、仮に私がうそつきで、信用できない人物だったとしても、私は35年にわたって満足のいく仕事をしてきている。なのに、なぜ私がそれを続けられないんだ?」

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