今シーズンから大きくレギュレーションが変わることで、レッドブル、そして4年連続でF1チャンピオンとなったセバスチャン・ベッテルの時代も終わりを告げるだろうと考えている者も多い。事実、1月末に行われた今シーズン最初の公式シーズン前テストにおいて、レッドブルは、ルノーのパワーユニットやオーバーヒートのトラブルに悩まされ、満足に走行もできない状態で終わった。
だが、昨年までベッテルのチームメートであったマーク・ウェバーは、もしレッドブルがそうした初期トラブルを解決することができれば、またもベッテルがチャンピオン候補に挙げられることになるだろうと語った。
2014年から導入される新たなレギュレーションにより、これまで空力がレースでの優劣を支配してきた時代は終わり、V6ターボエンジンとエネルギー回生システムであるERSとの組み合わせによる「パワーユニット」とその関連技術のほうの比重が高くなると考えている者もいる。
しかし、オーストラリア出身ドライバーであるウェバーは、もしレッドブルが今季型車であるRB10の問題を解決することができさえすれば、2014年の新しいルールはベッテルにとって有利となるはずだと考えている。
ウェバーは先ごろ、ベッテルは低速コーナーで強さを発揮すると語っていた。高いトルクを発生する2014年型のF1カーはまさにそうした低速コーナーでの扱いが難しいということが明らかとなったからだ。
「多分、みんなは内心ではそういうことを聞きたくないと思っているかもしれないけれど、そのことはセバスチャンにとって有利だと思う」
昨年まで12年間をF1で過ごした後、ウェバーは今年から世界耐久選手権(WEC)の最高峰カテゴリーにおいてポルシェのプロトタイプ車をドライブすることになっている。
だが、ウェバーは、F1の2014年シーズン開幕に合わせ、3週間ほどメルボルンに滞在する予定にしているという。
「僕はほんの数か月前まで(F1で)レースをしていたし、その経験を利用して、ドライバーの強みとか弱みとか、そういったことに関する解説をすることができるんじゃないかと思っている」
そう語ったウェバーは、F1開幕戦となるオーストラリアGP(3月16日決勝)においてオーストラリアのテレビ局で解説者を務めることになるようだ。
「僕はポルシェでのシーズンを迎えるのを本当に楽しみにしている。レースは4月から始まるから、メルボルンへ戻るチャンスもあるし、フェンスの外側からまた楽しませてもらえそうだよ」とウェバーは結んだ。