ロータスのオーナーであり、チーム会長を務めるジェラルド・ロペスが、同チームが破たんの危機にひんしているのではないかとのうわさを一蹴した。
最近、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が2014年の公式エントリーリストを発表したが、ロータスには暫定を意味する印が付けられていたことから、ロータスが財政的に破たんをするのではないかとのうわさが大きく広まった。
これに対し、ロペスは15日(水)にドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、次のように述べた。
「リストには間違ったチーム名が載せられていたんだ。つまり、2年前の名前がね」
「何も変わらないということは私が保証するよ」
しかし、そうしたロペスの説明にもかかわらず、クァンタムと呼ばれる投資家集団からの出資が実現されなかったことで、キミ・ライコネンの後任ドライバーとしてウィリアムズから移籍してきたパストール・マルドナードが持ち込む資金に頼らざるをえなくなっているロータスが、このままチーム運営を継続できるのかどうか危ぶむ声も少なからずある。
ロペスは、ロータスから1ユーロも支払いを受けていなかったと語ったライコネンに関し、すでにその「一部は支払われた」と主張するとともに、「残りも支払われることになる」と付け加えた。
だが、ほかの全てのチームが28日(火)から始まるシーズン前テストにおいて、新しいV6ターボエンジンを搭載した新車の初テストを行う予定にしている中、ロータスはそのテストを欠席することが決まっている。
エントリーリスト同様、このロータスのテスト不参加もまた、同チームの将来に対し不安を抱かせるものだ。
しかし、ロペスはさらに次のように続けた。
「我々は自分たちのクルマの開発には非常に満足している。多分、ほかのチームのクルマとは少しばかり違って見えると思うよ」
「我々は、この後何週間か風洞を使うほうがいいと考えている。そのほうがサーキットでの1回のテストよりも多くのものが得られるだろう」
さらに、ロペスは、新たなターボエンジンが組み込まれた「パワーユニット」の理解という点に関して、ロータスがヘレスのテストに参加しないことで、ほかのライバルたちに先行を許すことはないだろうと次のように続けた。
「レッドブルやトロロッソ、そしてケータハムも(ルノーエンジンで)テストを行うし、そこでの結果は我々にとっても有益なものになるだろう」
「ルノーがバーレーンでのテスト(2月19日開始)までに加える変更は、我々のクルマにも適用されることになるからね」
「最初の本当のテストはバーレーンだよ。それまでに、我々はファクトリーにおいて、もっとラップタイム向上を図ることができる」
だが、実際のところ、ロータスもルノーも公式にはまだ2014年の新たな契約を結んだということを発表していない。本当にロータスは2014年にルノーエンジンを使うことができるのかという疑問も残る。
「我々にはルノーエンジンがある。だが、ロータスは単なるルノーの顧客ではないんだ。例えば、我々のエンジニアがKERS(運動エネルギー回生システム。2014年からは熱エネルギーも回生できるERSが用いられることになる)の開発の手助けもしてきた」
「だから、我々はエンジンの供給契約にとどまらない合意を結ぼうとしたんだ。その交渉がいく分遅れたがね」
だが、そのロペスも、クァンタムからの出資はもう期待できないことを認め、次のように述べた。
「資金はまったく投入されなかった。だから、我々はそれをキャンセルしたよ。2014年の我々の予算は新たなスポンサーであるPDVSA(マルドナードのスポンサーであるベネズエラ国営石油会社)によって賄われることになる」
そして、ロペスは、イタリアの自動車メーカーであるデ・トマソとの提携のうわさが報じられたことに対し、これを否定し、「現時点では何の関係もない」と語った。
だが、ロペスはカーボン製のスポーツカー開発を検討していることは認め、「デ・トマソはその選択肢のひとつだ」と説明した。
「しかし、これはF1とは何の関係もないことだ」とロペスは付け加えた。