ロータスと35%のチーム買収交渉を行ってきた投資家集団クァンタムは、契約が失敗に終わりつつあるという報道を否定している。
しかし、ロータスのチーム会長ジェラルド・ロペスの忍耐も切れかけているようだ。
「もうほとんど時間がない」とロペスは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語っている。
「向こうが契約上の義務を果たすか、こちらが決断を下さなければならないか、どちらかだ」
クァンタムを率いるマンスール・イジャスは、アブダビGPのときにうわさを否定していた。さらに、F1第18戦アメリカGP行われたオースティンに移動し、同じ内容を繰り返している。
「契約がうまくまとまるのは間違いない」とイジャスは16日(土)に話した。
イジャスは、高額な資金の流れがお役所仕事のせいでさえぎられており、停滞を謝罪するために自らボーナスを支払うと明かした。
しかしロータスには、希望にすがっていられる余裕がない。2014年のチーム予算を確保するために、ベネズエラの国営石油会社PDVSAから多額の資金を持ち込めるパストール・マルドナード(ウィリアムズ)を獲得するのではないかとうわさされている。
「(マルドナードとの契約が)完了しているとベネズエラで報道されているという記事を読んだ」とロペスは話した。「だが、まだ何も署名に至っていない。彼は来年に向けて重要な候補だ」
「ほかの候補が消えるとすれば、それはほかのチームと契約したからだ」
「われわれは時間を掛けている。ロマン(グロージャンとの昨年の契約)のときと同じだ」
「もし報道された通りになっていたら」とロペスは笑った。「彼(グロージャン)は今ごろ、銀行で働いていただろう」
しかし、ロペスもロータスが将来の資金源を確保する必要があることを認めている。
「スポンサーは必要だ」とロペスは語り、次のように続けた。「資金元がドライバーかどうかは気にしないよ。フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だってスポンサーと一緒なら獲得するね」
ロペスは、チームの経済状況について否定的な報道をしているメディアやライバルチーム、F1界全体を強く批判している。
「F1ジャーナリストの中には、『Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)』で働いているような顔をしている者がいる」
「だが、その手の話の多くは、われわれと同じかそれ以下の企業から金をたくさんもらっている人間がパドックで故意にばらまいているんだ」