手術のために欠場することとなったキミ・ライコネン(ロータス)に代わって今季の最終2レースにロータスから出走するヘイキ・コバライネン(ケータハム/控えドライバー)だが、来シーズンもそのままライコネンの後任としてロータスにとどまるのではないかとのうわさを否定した。
ライコネンがF1アメリカGP(17日決勝)と最終戦ブラジルGP(24日決勝)の欠場を決めた後、ロータスではまずニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)に声をかけたものの、断られていた。
その後、ロータスでは昨年までメルセデスAMGに在籍し、2度目の引退をしていたミハエル・シューマッハに打診していたと考えられている。
だが、ロータスのロマン・グロージャンは、かつて7度F1チャンピオンに輝いたシューマッハが3度目のF1復帰を果たすことは決してなかっただろうと語った。
「宣伝効果としてはよかっただろうね」、とほほ笑みながら『RMC Sport(RMCスポール)』に語ったグロージャンは、次のように続けた。
「でも、もし彼が復帰してきたら僕は驚いたと思うよ」
「彼が最初に復帰したときも、楽なものではなかった。今回、シーズン終盤の残り2レースのために彼が知らないチームからF1復帰するのは、かなりリスクの高いものだったはずだ」
実際、「リスクが高い」ゆえに、ヒュルケンベルグはこのチャンスを見送っている。
ヒュルケンベルグは14日(木)にこう語った。
「もちろん、それは魅力的だったよ。外から見れば、魅力的に感じられた」
だが、ヒュルケンベルグがそのチャンスを断ったということは、今季残り2レースに出ることが、そのまま2014年のシートにつながるという保証をロータスが与えなかったことを示している。
「もし僕がそれを引き受けていたとしても、みんなはすぐに僕がロマンに勝てると思ったりはしなかったと思う」、とヒュルケンベルグは続けた。
それゆえ、ロータスのクルマでなかなか速く走れずに評判を落とすことになるよりは、そのチャンスをコバライネンに譲ることにしたというわけだ。
そして、そのコバライネンは2014年のレースドライバー復帰への可能性がかなり確実度を増しているようだ。コバライネンは次のように語った。
「僕が真剣に来年に向けての交渉をしている唯一のチームはケータハムだよ。条件面などの話し合いが始められるまであと少しのところにきている」
「今週末(アメリカGP)とブラジルの件については、それに向けて大きな影響があるとは思っていない」、とコバライネンは付け加えた。
事実、ケータハムのチーム代表であるシリル・アビテブールは14日に、コバライネンがアメリカGPとブラジルGPでロータスから出走するためにチームを離れるとしても、コバライネンは依然としてケータハムファミリーの重要な一員だと認めている。