ヘイキ・コバライネン(ケータハム/控えドライバー)は、手術のため今季残り2戦の欠場が決まったキミ・ライコネン(ロータス)の後任ドライバー候補のうち、3番手の存在にすぎなかった。
しかし、ロータスは14日(木)、ケータハムで今シーズン金曜のフリー走行を担当していたコバライネンが、ライコネンに代わってオースティンとブラジルに出走することを発表した。
その一方で、ロータスがニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)にもアプローチしていたことが今週になって明らかになった。
さらに、ミハエル・シューマッハのマネジャー、ザビーネ・ケームが、『Bild(ビルト)』紙に対し、ロータスからアプローチを受けていたと打ち明けている。
「ミハエルに声がかかるのはよくあることよ」
「彼のコンディションは申し分ないだろうけど、いまのミハエルは、新しい生活を満喫しているわ」とケームは話した。
さらに、もうひとりの大ベテランで元F1ドライバーのルーベンス・バリチェロにも声がかけられていた可能性がある。
バリチェロは、1977年に黒とゴールドで彩られたロータスのクルマを走らせている当時の写真をツイッターにアップし、「これを覚えている人はいる?」とちゃめっ気たっぷりにつぶやいている。
しかし、最終的にロータスはコバライネンを選択した。ロータスのチーム代表を務めるエリック・ブーリエは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に対し、「彼がF1で1勝挙げていることを忘れてはならない」と述べている。
これだけではない。コバライネンは、ロータスと同じくルノーエンジンを搭載したケータハムのクルマで、2013年の繊細なピレリタイヤを実際に経験している。
さらに、コバライネンが2007年にF1デビューを果たしたのは、ロータスの前身チームにあたるルノーからであった。
フィンランドのTV局『MTV3』の解説者オスカリ・サーリは、「当時のメンバーがまだ大勢チームに残っている。ある意味、あの時と同じチームだと言える」と述べている。
ライコネンの代役候補にコバライネンの名前を真っ先に挙げていた元F1ドライバーのミカ・サロは、オースティンとブラジルが、コバライネンにとって、2014年のシートを確保するまたとないチャンスであると語った。ロータスのシートでさえ、可能性はあるとサロは考える。
「ロータスの財政状況がいま、どうなっているのか私は知らないし、彼に望みがあるのかも分からない」
「でも、もし2戦とも表彰台を獲得できたら、状況が厳しくなることはまずないだろうね」とサロは語った。