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レッドブル総帥、アロンソの心理戦を語る

2013年10月30日(水)11:51 am

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と伝説のプロボクサー、モハメド・アリの共通点は何だろう。レッドブルの総帥ディートリッヒ・マテシッツは次のように考える。

別名「ビッグ・マウス」と呼ばれた現役時代のアリは勝利のためなら何でもする男として広く知られ、中でも彼が仕掛ける「心理戦」は超一流だった。

翻ってアロンソも、今やレッドブル時代のF1にあってセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の成功はひとえに優れたマシンのおかげといい続け、ライバルであるベッテルの偉業に水を差す心理ゲームを駆使してきた。

「アロンソがマスコミを通じてあれやこれやと話すのは、ちゃんと計算があってのものだ。モハメド・アリも顔負けだよ」と、マテシッツはオーストリア『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』紙に語る。

「人の心をもて遊ぶアロンソの武器は、ほかの誰と比べても引けをとらぬ最悪のものだ」

マテシッツの右腕であるチーム・アドバイザーのヘルムート・マルコは、表彰台で時に起こるブーイングを含め、ベッテルが今年、急に人気を落としたのは、そうした心理戦の影響もあったのではないかと考えている。

「フェルナンド・アロンソのような連中は、セバスチャンはドライバーとして最高というより、ただ最高のマシンに乗っているだけというのだ」と、マルコは『Der Spiegel(シュピーゲル)』に語る。

「もろもろの発言は政治的に意図されたものだよ」といって、語気を強めるマルコ。

レッドブルで4年連続タイトルを決めたベッテルだが、アロンソの口車に乗って他チームに移籍することはないとマルコはいう。

「彼(ベッテル)がレッドブルを出て行くのは、もはやわれわれに競争力のあるマシンを作ることができなくなった時だ」

「フェラーリにはアロンソ、メルセデスAMGには(ルイス)ハミルトンがいる。わざわざ今、そんなチームに行く理由がどこにある?」

「今の彼にレッドブル以外の選択肢はないね」

「アイルトン・セナは、すべてのタイトルをマクラーレンで取った。結局フェラーリ入りしなかったが、それで選手としてのイメージに問題が生じたことなんかない」

「フェラーリで勝ったらハクぐらいは付くかもしれないが、今はそう簡単にはいかないよ」

ベッテルがF1第16戦インドGPでタイトルを決めた様子はザルツブルグにある自宅のリビングで見守ったマテシッツ。満足感はあるが、有頂天になるほどではないという。

「タイトルを取るのは分かっていたからね。1週間にわたってクリスマスを祝うような感覚だったよ」と、マテシッツは笑う。「ワクワクするほどではないが、いつの時も勝つのは気持ちがいいものだ」

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