ザウバーのチーム代表モニシャ・カルテンボーンは、最近ビタリー・ペトロフと交渉を行ったことを認めた。
この話が持ち上がったのは24日(木)。ロシア人ドライバーのペトロフが、ガスプロム社のスポンサー金と伝えられる3,000万ユーロ(約40億2,000万円)を手土産に来季F1デビューを目指す若手セルゲイ・シロトキンに代わってザウバーのシートを獲得、F1復帰を果たすかもしれないというのだ。
カルテンボーンはロシアの情報サイト『f1news.ru』に、次のように話す。「ビタリーには9月にソチ(のF1デモラン)で会って、お察しのとおり交渉を行いました」
「それ以上でも以下でもありません」
だが、シロトキンの扱いに変化が生じたのが見受けられる。最近までザウバーはシロトキンのF1デビューを懸命に後押ししていたが、このところカルテンボーンの口ぶりから、計画変更にも柔軟な姿勢が感じとれるのだ。
「どうしてもうまく行かない場合、彼にプレッシャーをかけるのは得策ではないです」とカルテンボーン。
「それでもセルゲイはやれると信じています。たとえ我々の計画が達成できなかったとしても、ほかに協力の方法はあります」
つまり、シロトキンを控えドライバーにして育成を続ける間、もっと経験のあるドライバーに2014年の実戦を任せることかと質問されたカルテンボーンは、次のように答えた。「そのことは考えました。チームとしては、違うドライバーを絡めた多彩な選択肢を抱えています」
ただ、9月に行ったペトロフとの話し合いは、それほど真剣なものではなかったという。
「彼がシートを探しているといった話までは踏み込みませんでした」とほほ笑むカルテンボーン。「近況をきいたら、エベレストに登るっていうじゃない!」
チーム創設者のペーター・ザウバーは、今年のラインアップであるニコ・ヒュルケンベルグとエステバン・グティエレスを2014年も残留させる方向でもよいといったスタンスだ。
ザウバーは『Blick(ブリック)』紙にこう話す。「2人のドライバーには満足している。実際の話、彼らをこのまま残したいくらいだよ」