大柄のドライバーを中心に、来季F1マシンの最低車重を引き上げるよう求める声が上がっている。
マクラーレンの2014年ドライバー候補からニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)が外れたのは、体重(74kg)が理由だったらしいとの話が最近、漏れ伝わったからだ。
3日(木)、こうしたうわさについて質問されたクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)は、ヒュルケンベルグがレッドブルの2014年ドライバー候補になったことはないと断ったうえで、仮にそうなったとしても体重は懸念材料になっただろうと語っていた。
2014年にF1エンジン規則が一新されると、マシン重量は2013年のクルマから飛躍的に増す。小柄でより体重の軽いドライバーが有利と言われるのも仕方のないところだ。
レースの週末前は「断食」に近い食生活を送っているというジェンソン・バトン(マクラーレン)。大柄でやせ型の彼は、もし規則が変更されなければ「たとえ才能があっても身長と体重で敬遠されるドライバーが現れる」と、現状を危ぐする。
「体重を5kgオーバーすると1周につきコンマ2秒損をする。果てはレーシングドライバーとしてクビさ」と、バトンは3日(木)、韓国で報道陣に語っている。
「こんなの変えなきゃダメだよ。規則を決める側だけの問題じゃない。もともと僕ら(ドライバー)も、もっと主張すべきだったんだ」
今後は、GPDA(F1ドライバーズ協会)やレース前のドライバーズ・ミーティングでも討議されるという。
しかし、ザウバーより競争力あるチームに移籍をもくろむヒュルケンベルグにとって事態は急を要する。
ヒュルケンベルグは、上位で戦うためなら来季のサラリー返上を検討したっていいと、次のように『Speed Week(スピードウィーク)』に語る。
「全体的にどんな契約になるかによるね」と、ヒュルケンベルグ。「僕には個人スポンサーがついているから、場合によっては可能だ」
もうひとり長身で体重が重めのドライバーがいる。エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)だ。彼は逆に、問題を大げさにとらえすぎではないかと次のように話す。
「僕らが腹をすかしていると思ったら大間違いだ。ディナーでほかのドライバーを見かけるけど、誰とはいわないが、おなかが出ているやつだっているよ」