まだF1はあきらめない、そう宣言するのはヘイキ・コバライネンだ。
昨年ケータハムのレースシートを失ったコバライネンだが、前戦F1第11戦ベルギーGPに続き、今週末の第12戦イタリアGPも金曜日フリー走行1回目のドライブを担当することになっている。今後に向けて明るい材料だ。
ところが、もし来季ドライバーの選考にスポンサー金の持ち込みがかかわるなら、「同じことの繰り返しさ。復帰はない」と、スパで語るコバライネン。
コバライネンは、次のようにフィンランド『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』紙に話す。「僕の状況はみんなが知っている」
「僕には金がない。もしスポンサーを獲得したとしても、その金は僕のものだ」といって、コバライネンはニヤリと笑うのだった。
コバライネンは現在、31歳。セバスチャン・ブエミ、ニック・ハイドフェルド、ブルーノ・セナ、小林可夢偉をはじめ、F1からル・マン24時間をシリーズに含むWEC(世界耐久選手権)に活躍の場を求めたドライバーは多く、コバライネンが同じ道を歩んでもおかしくない。
今年でいえば、マーク・ウェバーだ。F1のチャンピオンチームであるレッドブルから、シーズン終了とともにポルシェのワークスチームに移るのだ。
F1からWECに転向するウェバーの決断について質問されたコバライネンは、次のように答えている。「正直いって、少し驚いたよ」
「去年の末、彼とは飛行機で隣同士の席になったんだ。あの時はF1でヤル気十分の様子だったよ」
「だからちょっと驚いたのさ。でも、きっと熟考の末に決めたんだろうね」
ところがコバライネンは、まだカテゴリー転向について考えがおよばないという。コバライネンは『トゥルン・サノマット』紙のヘイキ・クルタ記者にこう話す。
「今年これまで、多くのカテゴリーから多岐に及ぶプロジェクトへの参加を要請された。しかし、どうも興味がわかないんだ」
「まだまだF1でやれるという気持ちが、僕の中にあるからなんだよ」