現在、F1の世界では「シリー・シーズン」と呼ばれるドライバー移籍のうわさがかけめぐる時期を迎えているが、ここにマクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュによってまた新たな火種が投げ込まれた。
ウィットマーシュは27日(火)、2007年のF1チャンピオンであるキミ・ライコネン(ロータス)のマクラーレン復帰の可能性をほのめかした。
ライコネンに関してささやかれていたレッドブルやフェラーリへの移籍話はここへきて鳴りを潜め、現在所属しているロータスに残留する可能性が高くなったと考えられていた。
だが、ウィットマーシュは、かつて2002年から2006年までマクラーレンに在籍していたライコネンを再び呼び戻すことを検討していたと認めた。
ウィットマーシュは、F1公式ウェブサイトのインタビューで次のように答えている。
「ああ、検討したよ」
「キミはいつも素晴らしかったし、私は彼の大ファンだからね。現時点ではいろんなうわさが駆け巡っている。だから、どうなるか様子を見てみようよ」
ウィットマーシュが27日に行ったコメントは驚きを持って迎えられた。最新の報道によれば、ジェンソン・バトンは確実に2014年もマクラーレンにとどまると考えられており、また、もう1人のドライバーであるセルジオ・ペレスについてもウィットマーシュ自身がF1ベルギーGPで、ペレスはより速いクルマで新しいチャンスを与えられるにふさわしいと発言していたからだ。
「言うべきじゃなかったかもしれないが、私はまったく隠し事をしない人間だからね」
ウィットマーシュはそう語ると、さらにこう続けた。
「昨年、我々は彼(ライコネン)との交渉を行った。だが、さまざまな理由により、それは実現しなかった。今年、我々は何の話もしていないよ。まだね」
今後マクラーレンがライコネンに接触すること、あるいはその逆のケースが起こる可能性はあるのか、と問われたウィットマーシュは、「ああ、ひょっとしたらね」と認め、次のように続ける。
「間違いなく、キミはどこかほかのチームへ移籍しようと決心しているけれど、私はそれがうまくいかないんじゃないかと感じているんだ。だから、彼がどうそれに対応するか様子をみていくよ」
さらに、ウィットマーシュは、もし2014年にマクラーレンがライコネンを迎え入れるとすれば、それはバトンのチームメートとしてだろうとほのめかした。
仮に、どちらも元F1チャンピオンというラインアップとなれば、2015年にホンダエンジンへ転向することが決定しているマクラーレンにとっては非常にいい宣伝効果が見込めるのではないか、と尋ねられたウィットマーシュは次のように答えた。
「ああ、そうなるかもしれないね。いずれはどうなるかわかるだろう。我々は、現時点ではキミとの交渉は行っていないから、今後のドライバー市場の動きを見てみようよ」