パストール・マルドナード(ウィリアムズ)は、パット・シモンズの加入とマイク・コフランの離脱は、調子の上がらないウィリアムズにとって朗報だと語った。
2012年シーズンには、F1スペインGPでマルドナードが初優勝するなど、名門らしい活躍を見せたウィリアムズだったが、2013年F1シーズンが開幕すると、すっかりその勢いがなくなってしまった。
シーズン半ばを終えて、ウィリアムズが獲得したポイントは夏休み前最後のレースでマルドナードがもぎ取った1ポイントのみ。チームランキングでウィリアムズより下位にいるのは、レースで最後尾が常連のマルシャとケータハムだけだ。
そのため、ウィリアムズは6月中旬にパット・シモンズのチーム加入を発表した。シモンズは「クラッシュゲート」でチームを離れるまでベネトンとルノーで長年活躍し、その後マルシャに所属していたベテランエンジニアだ。
シモンズ加入と同時にテクニカル・ディレクターから降格されたのが、マイク・コフランだ。
この人事についてマルドナードはこう話している。「確かに、なにか変化が必要なんだ」
「僕たちの取り組み方、走りを良くしようとやってきたことはベストじゃなかった。だから、どんなことでも変化があるのは大歓迎だよ」
マルドナードのチームメートであるバルデリ・ボッタスもマルドナードと同じ意見で、「新しい考えと、新しい意見」がウィリアムズには必要だと話す。
マルドナードはブラジルの『Totalrace(トータルレース)』にこう語っている。「今年のこれまでの僕たちは、これ以上悪くなりようがないような状態だった」
「どんな変化も大歓迎さ。問題が解決できるかどうかは分からないけどね」
「分かっているのは、僕たちが一生懸命やってきたこと。そして、必死にやってきたそのやり方ではうまくいかなかったということだよ。チームの中で、何かを変えなければいけない時なんだ」
それでもマルドナードはコフランがウィリアムズ不振の原因だと言おうとはしない。コフランはマクラーレン時代に「スパイゲート」でF1を追われたが、確かな実力をもつエンジニアだ。
「誰かひとりの責任じゃないんだ。僕も含めて、チームには500人の従業員がいるんだよ」
「僕たちはやり方を間違えてしまった。だから、結果が出なかったんだ」
そして、マルドナードが最も懸念しているのは、冬の間にこうまで不振に陥った原因をチームが特定できていないことだ。
「理由が分からないんだ。それこそが、僕たちが抱える最大の問題だ」