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新F1タイヤはトップチームのためにある

2013年07月29日(月)22:59 pm

ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、「ようやくレース、ドライバー、そしてクルマがF1界の話題の中心に戻ることを期待している」とF1ハンガリーGPで述べた。

現に「タイヤ」の3文字が2013年F1シーズンをこれまで席巻してきた。極度の摩耗、テストゲートスキャンダル、そしてF1イギリスGP(6月30日実施)で多発したタイヤの破裂など、話題の中心は常にタイヤだった。

しかし、ヘンベリーの願いはまだ現実になりそうもない。ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、F1ハンガリーGP(28日実施)予選でポールポジションを獲得した直後、決勝にはあまり期待していないと認めていた。しかし、ハミルトンは今季初優勝を飾っている。

「正直、僕たちのクルマは、ダウンフォースや構造面においてレッドブルより競争力はありそうだけど、問題はタイヤだね」

「クルマに装着したとたん、機能しなくなっちゃうんだから」とハミルトンは話した。

これだけではない。ピレリはタイヤに関するすべての問題の解決を目指し、ケブラー構造を用いた2012年仕様のタイヤに、2013年仕様のタイヤコンパウンドを融合させた新タイヤを、ハンガリーGPから持ち込んだ。これにより、シーズン途中にもかかわらず、各チームは再び新タイヤへの対応をせまられた。

この変更にチーム序列を変えるほどの影響力はないとヘンベリーは強調する。しかし、ハンガリーGP予選で18番手に沈んだポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)は動揺を隠せなかった。

また、ディ・レスタのチームメート、エイドリアン・スーティル(フォース・インディア)は、『SID通信』に対し、「彼らが何と言おうと、新タイヤはトップチームのためにある」

「路面温度は50度なのに、僕たちは今回もタイヤを温められなかった。よりダウンフォースのあるクルマに有利なのは明らかだ」

「結局のところ、彼ら(トップチーム)は欲しい物を手にしたのさ」と不満をぶちまけた。

さらにスーティルは、「タイヤがすっかり変わってしまったように感じられる」と明かし、新タイヤに2013年のタイヤコンパウンドの特性が取り入れられていない可能性をほのめかした。

2位に入ったキミ・ライコネン(ロータス)もハンガリーGPで、タイヤに手を焼いていたドライバーのひとりだ。チームメートのロマン・グロージャン(ロータス)のペースになかなか近づけないでいた。

しかし、ヘンベリーによれば、レースごとに提供される全チーム共通のタイヤを使いこなせるかいなかは、それぞれのチーム次第だという。

『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』紙に次のように語った。

「ここハンガリーでは、メルセデスAMGのリアタイヤの温度が、他チームより最大20度高かった」

「もし彼らがこの問題を解決したら、トップに躍り出るだろう」

ハミルトンのチームメート、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)もこの意見に同調する。

「全ドライバーが同じタイヤを使っている」

「僕たちは宝くじについて話しているわけじゃない。理解すべきことは、ただ単に物理的な問題なのさ」

また、各チームは、ピレリに慣れる必要があるだろう。なぜならば、F1とのサプライヤー契約更新を間近に控えているのだ。ヘンベリーは、ロシアの『f1news.ru』に以下のように話した。

「我々はすでに、2014年シーズンに向けたタイヤ作業を本格的に行っているし、広告契約に至っては、すでに締結済みだ」

「現在、弁護士たちが(F1タイヤサプライヤー)契約の最終版に取り組んでいる」と明かした。

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