今年マクラーレンからメルセデスAMGに移籍したパディ・ロウは、技術首脳が何人もいる環境に問題はないと語った。
マクラーレンで技術責任者を務めていたロウが加入する以前から、メルセデスAMGにはF1チームで技術部門のトップを経験してきたエキスパートが数多く在籍し、「船頭多くして船山に上る」という状況なのではないかという声があった。
これに対してチーム代表ロス・ブラウンは、「それどころか完ぺきだ」と反論していた。「全員それぞれに個別の仕事を受け持っている」
ロウは、慣例に反して数ヶ月で新しいチームに合流し、まだその役割ははっきりしていない。しかしすでに、ブラウンやメルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフと並んで仕事をしている。
ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』は、次のようにロウが語ったと伝えている。「メルセデスAMGにはテクニカルディレクターが多すぎると言われるかもしれない」とロウは話す。「私に言えるのは、それでうまくいっているということだけだ」
「メルセデスAMGは、この12ヶ月間で素晴らしい進歩を成し遂げた」
「その何が問題なんだね?」
「確かにメルセデスAMGの首脳陣は、広く深く多岐にわたっている。だが、全員が給料をもらう社員であり、互いの才能を尊敬している」
「作業の分担がうまくできており、非常によく機能している」
またロウは、著名な人材がチームに合流しているが、もともと存在したチームの構成を大幅に変更する必要はないと話している。
「このチームは、2009年にタイトルを獲得した」とロウは前身のブラウンGPを話題に上げた。
「確かに、特殊な状況(ダブルディフューザーによるアドバンテージ)もあったが、マシンを作り、走らせ、コントロールし、開発する方法を知らなければ、タイトルを獲得することは不可能だ」
「速いクルマを奇跡的に生み出すことで勝つのではない。すべての要素がうまくそろって初めて実現することだ。それがすべてここ(メルセデスAMG)にはある」