ライバルチームは、メルセデスAMGの最近の躍進をルール違反と判断されたタイヤテストの効果と見始めている。
メルセデスAMGは、今季型F1カーを使ってバルセロナでピレリタイヤのテストを行い、若手ドライバーテスト参加禁止と戒告処分を受けた。それ以前も予選での速さは見せていたが、このテスト後の3戦で、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が2回優勝している。
いわゆる「テストゲート」で最も激しく抗議しているレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、メルセデスAMGについて、タイトル争いでフェラーリとロータスに並ぶ「大きなライバル」と見なければならないと語っている。
メルセデスAMGの好調さは「テストゲート」と直接関係があるのかと聞かれ、「ほかの人たちが判断すべきだ」とホーナーが答えたことを『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。
「これだけ聞こう。2013年、彼らはあのテスト前に何回優勝した?」とホーナーは問いかけている。答えはゼロだ。
レッドブルの最高技術責任者エイドリアン・ニューイも次のように話す。「メルセデスAMGは、バルセロナでのタイヤテスト以降、明らかにタイヤに関して向上した」
「結論はお任せする」とニューイはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に語っている。
ロータスのチーム代表エリック・ブーリエも同様の考えだ。
「テスト後の3戦で2回メルセデスAMGが優勝したのは事実だ。従って結論も容易に出る」
当然、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフはこうした意見に反対し、逆に、このスキャンダルがチームの進歩にとってマイナスになったと主張している。
「われわれはこの2週間ほど国際法廷の準備のために非常に忙しかった」とヴォルフはF1公式サイトのインタビューで語っている。
「普段はクルマを良くすることに集中している脳細胞の多くが、(裁判の)書類作成に費やされた」
しかし、メルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンは、ライバルが言うことは気にしていないと話す。
「われわれのことを真剣に考えるようになった証拠だよ」
非常勤会長のニキ・ラウダも同じだ。「まだあのことに腹を立てているとしたら、うれしいね。気が散っているということだから」
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、メルセデスAMGの躍進は続きそうだと伝えている。チームの予算が、1億4,500万ユーロ(約188億円)から1億9,000万ユーロ(約247億円)に増やされるという。
「これからわれわれは、毎戦少なくともコンマ1秒ずつ縮めていく」とラウダは自信を見せ次のように締めくくった。
「シーズン後半いつも後退していた去年までとは違う」