ロータスのチーム代表エリック・ブーリエは、F1タイヤの変更を予定しているピレリの計画に反対する姿勢を示した。
ピレリは当初F1カナダGP(6月9日決勝)で修正を加えたタイヤを導入する予定だった。しかし結局、カナダGPでは金曜フリー走行でのみ試験的に使い、正式な導入は次のF1イギリスGP(6月30日決勝)に延期している。
これに対してブーリエが次のように語ったと『RMC Sport(RMCスポール)』が伝えている。「(新しい)タイヤがイギリスで登場することはない」
「ピレリはそのタイヤを試すだろうが、全チームの同意がなければ、ルールを変更したり、あるいは少なくともタイヤのタイプを変えたりすることはできない。そして今、同意は得られていない」
特に声高にタイヤを批判しているのがレッドブルとメルセデスAMGだが、ブーリエは数チームが強く働きかけても何も変わらないと話している。
「ルールは全員同じだ」とブーリエは主張している。「タイヤは昨シーズンにブラジルでテストされた」
「今年はタイヤがスポーツの上でも技術的にも主要な要素だ。だから、シーズン途中で変えなければならない理由はないと思うね」
一方、3年連続でチャンピオンを獲得しているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、改良されたタイヤをすぐにも導入すべきだと訴えている。今年何度かリアタイヤに起きているデラミネーションと呼ばれるトレッドの剥離(はくり)が、安全上問題だというのがその理由だ。
ピレリは、トレッドが剥離(はくり)してもタイヤ本体は傷んでおらず、安全上大きな問題はないとしている。デラミネーションと通常のパンクとの違いについて説明を受けたベッテルはこう答えた。「どちらもすごく安全とは言えないよね?」
「大げさに騒ぎ立てたくはないけれど、フェリペ・マッサの事故で、物が飛んできてドライバーにぶつかったらどうなるか分かったよね。僕はトレッドが飛んできて頭にぶつかるのは嫌だよ」とベッテルが話したと『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。